20050329

PC上で以下の記事を読んだ。休みだったのでいつもよりかなり多い。全部掲載すると長すぎるので絞り込むことにする。
ソーシャルネットワーキングサイトは大学生にも高い人気を誇っている。開放的な雰囲気に誘われて、多くのユーザーが自らの個人的趣味をプロフィールに書いているのだが、この点が就職の際に問題になると専門家は指摘している。多くの企業が、求職者をソーシャルネットワーキングサイトで調べるようになっているのだ。より率直なプロフィールが記載されているので、面接で知ることができない求職者の本当の姿を知ることができるのが利点だという。Googleで検索するのも当然の作業となっている。現在の法律では、このようにネットで入手した情報を元に採用・昇進・解雇するのは問題ないという。


・米国ではエンジニアになりたがる子供が少なくなっており、ハイテク企業の経営者なども米国産業の競争力を弱めるものとして懸念を見せている。しかしなかなか子供達にエンジニアの道に進ませるのは難しいようだ。シリコンバレーで働くエンジニアたちでさえ、自らの子供をエンジニアの道に進ませるのに苦労しているくらいなのだ。アウトソーシングで海外に仕事が流出してしまうことを心配している。米国における高校の数学や科学のカリキュラムが貧弱であることや、エンジニアに対するイメージが良くない(孤独、仕事中毒など)ことがエンジニア離れになっている。親がエンジニアとして経済的に成功してしまったことも、子供達が経済的に成功しなくてはならないという動機を弱めている面もある。


・ノンフィクションなどの書籍販売では、ベストセラーリストに顔を出すためには、業界内で「プラットフォーム」と呼ばれる仕組みを著者自らが持っていなくてはならないのだ。出版業界は映画業界と異なり、宣伝にお金をかけないため、販売部数を増やすためには、著者自らが営業する能力が求められている。プラットフォームとは、テレビでのレギュラー番組、連載コラム、ウェブサイト、セミナーなどで築いた潜在的な顧客層を指す。販売前から著者がこのような顧客層に積極的に新著の宣伝をすることで販売部数を増やすのだ。


・オンラインゲーム企業のShanda Interactive Entertainmentが中国のポータルサイトであるSinaの買収に動き出したことが、中国のポータルサイトの株価上昇を引き起こしている。同業他社であるNetease.comやSohu.comの株価も上昇している。ただアナリストは、これらポータルサイトではなく、携帯電話向けのサイトを運営している企業が魅力的と指摘している。業績が極めて好調であるものの、PERが低水準に放置されているためだ。このような企業としてTom Online(香港の実業家であるリカシンが支援)やLinktoneなどがある。携帯電話サイトでは行政当局による不公正な営業方法に対する摘発が進められており、業績が悪化するとの懸念が高い。着メロや星占いなどのデータを携帯電話に送信するサービスがあるが、加入者は一度加入するとなかなか解約できないとの問題があるのだ。ただこのような摘発の動きがあっても需要はもともと大きいので業績は今後も高い伸びが見込めるとアナリストは見ている。


マイクロソフトビル・ゲイツ氏は年2回、思考週間(Think Week)という時間を設けている。外部から隔離された場所で、マイクロソフトの将来を検討するため、様々な書類を読んで展望を考えるのだ。この習慣は 80年代より続けられている。1週間で100程度の書類を読んでおり、朝から晩まで部屋にこもって読書、それに執筆に没頭している。同氏がこもっている場所は秘密にされており、社内の人間や家族にさえ近づけさせない。この思考週間は同社のみならず、コンピュータ業界全体に大きな影響をもたらす。この期間に考えたことが同社の戦略に大きく反映されるためだ。そのため社内の開発者達は、自分達が提出した書類に対してどのようなコメントを付けてくれるのか固唾を飲んで見守っている。同氏も自分のコメントが社内の様々な部署に大きな影響を与えることを知っており、慎重になるという。今年読んだ文書ではセキュリティ関連が大きな比重を占めている。


プライベート・エクイティファンドのカーライル・グループ(Carlyle Group)が業界初の100億ドルファンドの設定を行なったと発表した。現在、多くの競合ファンドがいわば軍拡競争を進めており、世界一の規模を誇るこのファンドの記録もすぐに破られるものと見られる。最近では先日発表されたSunGardの買収のように、買収規模が大きくなっておりどれだけ資金を抱えているかが買収案件の成否に影響を与えるようになってきている。今回のファンドでは資本の100億ドルに加えて、負債も450億ドル程度利用することができる。これだけの資金があれば、FordとNikeを買収しても充分おつりがくる。ファンドが巨大化すると問題も生じてくる。多くのスタッフを抱えているわけではないので、インフラの整備が必要になるのだ。また買収案件が巨大化するとファンドで手を組んで買収する「Club Deals」になってくるが、そうなるとファンド間での調整が難しくなるという問題もある。


ビル・ゲイツの思考週間に関する記事が面白い。WSJの記者が初めて同行取材に成功したようだ。
Heard on the Streetは昨日に引き続きプライベート・エクイティファンドに関するもの。WSJでも関連記事が多くなっているような気がする。関心が高いのだろう。カーライルのファンドも100億ドル集めたものの、出資希望者が多くてかなり断ったという。ヘッジファンドプライベート・エクイティファンドといったオルタナ系の勢力がどんどん拡大しているようだ。この動きは低金利の副産物か、それとも地殻変動なのか。