ロードショー

ロードショーは和製英語だと言われるが、証券業界ではroadshowはよく利用される専門用語である。株式・債券を投資家に販売する際に、発行企業が投資銀行と一緒に投資家回りをすることを意味する。ホテルなどで行われることが多いようだ。米国は国土が広く機関投資家も集中していないために、様々な都市を回る。経営者によるプレゼンが欠かせないが、IPOの場合は経営者にも経験が少ないために、投資銀行のアドバイスを受けて訓練するという。投資家が少ない地方都市から初めて、経験を積みつつ、大都市のニューヨークやボストンのロードショーに挑むことになる。場合によっては欧州や日本にもやってくることもある。
ロードショーでは基本的に目論見書(プロスペクタス)の範囲内でしかプレゼンできないことになっているが、口頭なら目論見書の範囲外でもプレゼンできるとされている。しかし書面で目論見書以外のことを記載すると規則に反するので、場合よってはロードショーで配布された書類(目論見書以外)を終了時に回収することもある。
配布される目論見書はSECの書式でS-1と呼ばれるもの。(修正が入るとS-1/Aとなる) 昨日書いたRed Herringの意味するところでもある。印刷された目論見書の左端には赤字で「この目論見書はSECの承認を受けていません」といった内容の文章が記載されているため、承認前の目論見書をRed Herringと呼ぶようになったと聞いたことがある。
これらの書類はSECの開示システムであるEDGARを利用すると誰でも閲覧できる。前の仕事ではこのシステムでよくS-1や10K(年次報告書)を見ており、懐かしくなったので再びチェックして面白い企業をダイアリーに書いていきたい。