20050314

TH55で以下の記事を読んだ。
・三共と第一製薬が合併することになったが、アナリストの評価は芳しくない。株価にも下落圧力がかかっている。合併してできる新会社の戦略が不透明であることが大きな要因である。また三共や第一製薬の主力薬品が特許切れの危機に直面していることもアナリストを弱気にさせている。三共に対しては、第一製薬に対して高いプレミアムをつけたとの批判もある。三共のP/Eは業界平均を上回っており、特許切れという問題を抱えていることを鑑みると割高との指摘もある。




・昨年12月より1割程度下落しているTime Warnerに注目する投資家達を紹介。同社は破綻したケーブルテレビ会社である、Adelphiaの資産をComcastと共同で買収しようとしている。ケーブルテレビ業界が、衛星テレビや電話会社からの脅威にさらされている中で、積極的に買収しようとする行為は市場には受けが悪いのだ。しかも Adelphiaの資産は大規模なアップグレードが必要であるにも関わらず、かなりの高額で買収しようとしてることが一層懸念となっている。しかし投資家の中には、同社は割安との見方もある。実際、EV/EBITDAを見ると、ComcastやDisneyなどの他のメディア企業よりは低い水準で取引されている。足を引っ張ってきたAOL部門はオンライン広告市場の回復の恩恵を受ける一方で、長い間続いていた司法省とSECによる捜査も和解で終結したという好材料がある。ケーブルテレビ部門を分社化する計画も、本体がよりコンテンツ部門に特化した企業になるとの期待につながっている。



・買収ファンド(LBOファンドやプライベート・エクイティファンドなど)が好調なパフォーマンスをあげている。債券市場でハイイールド債の需要が高いことを受けて低コストで資金を調達することができるためだ。ファンドに配当を行なうためのような資金調達でも、債券市場は許容しており、買収ファンドには魅力的な市場環境になっている。しかも大企業による事業売却という恩恵も受けている。今までは買収ファンドは、長期間保有した後に売却して利益を上げるという行動を取ってきたが、最近ではより短期間で利益を実現するようになっている。魅力的なリターンに惹かれて、多くの資金が流入していることや、ヘッジファンドの参入などもあり、今後もこのような魅力的な収益をあげることができるのか不透明な状況である。企業も多額の手元流動性を抱えており、リスクをとることにも積極的になってきた。そのため買い手として積極的に価格を引き上げてくる可能性もある。