FCCによるわいせつ規制

FCCが最近、放送上のわいせつな表現に対する摘発を強めていることに対して、放送業界も反撃に乗り出した。場合によっては憲法違反として裁判に訴える可能性もある。わいせつな表現かどうかはその当時の政治状況やFCC委員の構成により大きく左右されており、同じような表現でも時が違えば異なる判断が出る。 FCCが放送内容の調査を行うのはテレビやラジオであり、ケーブルテレビは対象外となっている。そのためテレビ局はケーブルよりも厳しい基準が適用される結果、競争力が低下するとの懸念も持っている。ただ議会ではケーブルも対象にするとの法案が審議されている。また違反した際に課せられる罰金が高額になっていることも懸念材料となっている。わいせつかどうかという判断が見極めにくくなっているために、テレビ局では自己規制の強化に乗り出している。またできる限り生放送を避けるようにも動いている。今回の騒動のきっかけが、U2のボーカリストBonoが授賞式で行ったスピーチの内容が問題視されたためだ。録画放映にすることにより、問題発言を削除することができるとテレビ局は考えている。