ウォーレン・バフェットの投資術

先日、恒例のBerkshire Hathawayの年次報告書が発表された。前年に引き続き投資信託に対する批判(ファンド取締役に対するもの)が目を引くが、同社を巨大な投資信託としてみた場合の分析をしてみる。事実、同社は米国でも10本の指に入るアクティブ型投資信託である。投資信託と大きく異なるのが、銘柄数が少ないという点である。30銘柄程度しか保有していない。投資信託の平均が100銘柄を優に超える水準であることを鑑みると、同社は分散投資ということを信じていないことが分かる。また保有している銘柄を見ても、特定の銘柄や業種に大きく偏っていることも伺える。しかし専門家はこのような集中投資はBuffettのような才能をもつ人物でない限りまねしないほうが得策と指摘している。年次報告書では、株価が高くなりすぎて魅力的な投資案件がないとこぼしている。同社が中国のPetroChinaに投資を行ったこともこの点に関係がありそうである。同社は自国から遠い国の企業にはあまり投資しないのだが、このような銘柄に投資せざるを得ないのが手詰まり感を示していると見る向きもある。また年次報告書で株価が高すぎるとしているからといって、今年は株式を購入しないという意味ではないと分析するアナリストもいる。89年に同じような文言が登場したときも、その後すぐにコカコーラへの巨額の投資を行っているからだ。