The EconomistをiPadで読む

iPadを買った目的の一つが、The Economistを大きな画面で読むというものだった。iPod TouchではすでにiSiloというビューアーを使っており、このソフトはiPadでも大画面で使えるユニバーサルアプリなので、とりあえずこれで無線LANがない環境でも読むことができるなと、とりあえず満足していた。

記事単位で設定しなくてはならないという手間はあるものの、instapaperも非常にすばらしい。どのように処理しているのかわからないが、広告やナビゲーション用のエリアをきれいに取り除いて、しかもグラフなどの記事を読む上で欠かせないグラフィックは残しつつ、ファイルを作成してくれる。

先ほどいろいろ調べていたら、最終的な答えが見つかったような気がした。webサイトをクロールして、電子ブック(ePub形式)でファイルを作成してくれるというソフトを見つけた。名前はcalibre。webサイトのhtmlからePubを作るのは、このソフトの一つの機能に過ぎないが、これだけで充分。しかも無料。ソフトウェアの中にすでに多くのwebサイトの設定ファイルが収録されており、その中にはthe economistを含まれている。だからユーザーが行うのは単にボタンを押すだけである。自動実行のスケジュールも設定できる。自宅の環境は数分程度でダウンロードは完了。昨日公開された最新号の記事が全部(確認はしていないが)収録されたePubファイルができあがる。不思議なのは、http://www.economist.com/printedition/ を参照しないとプリント版の記事のURLをきれいに取得できないはずなのだが、このURLは定期購読者しかアクセスできない。economist.comにはプリント版に掲載されている記事以外にも多くのコンテンツが混じっているにも関わらず、なぜかうまい具合にプリント版の記事のみを抽出しているように見える。写真やグラフももちろん付いている。セクション(LeadersとかUnited Statesなど)ごとにePubファイルにチャプターまで設定してくれるというこだわりぶりだ。(定期購読者向けにもthe economistの設定ファイルが用意されているが、economist.comのIDとパスワードを入力しないと駄目なのでセキュリティを考えてとりあえずやめておいた)

できあがったファイルは、iPadに転送して、Stanzaという無料ソフト(app storeで入手)で読む。正しくは、stanza内部でwebサイトなどからePubファイルをダウンロードするような格好となる。stanza自体、少し安定性に難があるようで、普通に読んでいる場合はよいが、途中で設定を変更したりすると落ちてしまう場合が多いようだ。ただ再度立ち上げた時には、最後に読んでいたページが表示されるのでそれほど大きな問題ではない。stanza内部にはinstapaperと同じく英英辞典が搭載されているので、わからない単語はすぐに調べることができる。ePubファイルはiBookでも読むことができると思うが、転送の仕方が分からなかった。
このようにパソコンで作成したePubをどのようにiPadに転送するか、そこを少し調べる必要がある。とりあえず、私が借りているレンタルサーバーに転送して、そこからStanza経由でダウンロードしたが、PC版のstanzaをインストールすると、iPadのstanzaから直接、PC上のstanzaにアクセスできると分かったものの、当方の環境ではうまくいかなかった。stanzaはiPod Touchでも動くのだけど、肝心のiPod Touch無線LAN接続が調子が悪いので試せない状況。復元しても変わりなし。

無料で入手できるソフトでここまで実現できてしまうと、the economistから正式版がリリースされてもあまり魅力がないだろう。


2004年の暮れに、このダイアリーを書き始めたとき、自分で作ったwebサイトのクローラー(perlmysqlで動作)を用いて、wsjなどの記事をiSilo形式にして通勤電車の中でclie(sonyPDA)で読んでいた。今から思えば相当ちっちゃい画面ではあるがこれでも充分すばらしいと思っていた。まさか6年後にはこのような状況になっているとは予想もつかなかった。