アクティビスト投資家の退潮

Activist investors : Flight of the locusts (The Economist)
数年前は、アクティビスト投資家(株式を取得するだけではなく経営陣に対して株主価値の向上を積極的に主張するような投資家)が多くの企業の経営陣を震え上がらせてきた。しかし金融危機は彼らの行動パターンを一変させている。そもそも運用成績が悪いという点が投資家離れに結びつき、運用資金が減少している。レバレッジをかけることも難しくなった。ろくにビジネスのことも分かっていない投資家が経営改善を声高に主張しなくなって、経営陣はほっとしているのかというと必ずしもそうではない。金融危機により公的資金を受けた金融機関だけではなく企業経営者全般に対して、世間一般から厳しい目で見られるようになった。ろくな業績を上げていない経営者が高額な報酬を受け取ることに対する批判は金融業界以外でも確実に高まっている。また政府が産業全体に対して資金を提供するようになった結果、経営にも口出すようになり経営者には頭の痛い問題が増えることになる。