失業問題にいかに対応するか

Unemployment : When jobs disappear (The Economist)
先進国、新興国を問わず近年類を見ないほどの失業が発生している。金融危機に端を発した景気後退であるため、雇用減少のスピードは急激であり、今後期待される景気回復局面でも雇用創出は非常に弱いものに成らざるを得ないと見られる。雇用悪化は経済的な問題だけではなく政治的な緊張も生み出す。外国人に雇用を奪われるという懸念から保護主義を求める声が高まるためだ。短期的には需要を生みだし、企業による雇用削減を防ぐための政策を実施するしかないが、企業による解雇を制限することは長期的には労働市場の硬直化を招き、欧州が経験したような構造的な失業が発生することになる。そのため長期的には労働市場の柔軟性を高める政策を導入する国ほど、高い雇用創出が期待できる。
いかにもThe Economist的な論調ではある。確かに企業が解雇しやすいと雇用も生まれやすいというのは理解できるが、労働者が抱えるストレスや不安感は確実に高まるだろう。現時点でも非正規雇用者はそういった状況に置かれている。経済成長の観点では良いのかもしれないが、社会全体として本当に幸せになるのかどうか疑問も感じてしまうところだ。