宇宙創成(上)

宇宙創成(上) (新潮文庫)

宇宙創成(上) (新潮文庫)

帰省中の新幹線の中で読んでいた。数式は多数出てくるが読み飛ばす。著者も理解してもらうことは期待していないようだ。正直に言ってそれほど期待していなかった(新幹線の中の暇つぶし程度に考えていた)のだが、なかなか面白い。数時間程度途中で飽きることなく読み続けた。人類が宇宙をどのように認識してきたのか、その推移が最初のほうにまとめられている。天動説から地動説、ニュートンの重力モデルからアインシュタイン相対性理論への移行はそう簡単には進まず、いくら理論に合致した観測結果を並べても、新しい理論が受け入れられるためには古い頭の科学者の死を待つしかないという現実が面白いところだ。