インドの金融システム

Reform needed
The Economistのサイトに掲載されているが、EIUという別団体のレポート。EIUのレポートはThe Economistのサイトに載っているものしか読めないがなかなか面白そうな記事が多い。今回のはインドの金融システムの現状である。インドの株式市場はだいぶ発達しているものの、銀行システムは旧態依然としているらしい。多くの銀行が国営であり、純粋な民間銀行も含めて貸出先には厳しい規制がかかっている。中小企業や貧困層に一定比率を貸し出さないといけないのだ。不良資産になりやすい貸出先でもある。政府が貸出先の選定に介入しすぎるために資本を効率的に配分するという銀行の役割が損なわれている。また銀行は政府の財政赤字ファイナンスにも協力させられている。つまり国債を購入させられている。これにより民間の資金需要を満たせずにいる。国内でなかなか資金を調達できないので成長産業は海外で資金調達を行う傾向が強いが、これも金融危機により厳しくなっている。インドは国内の貯蓄不足を反映して高水準な経常赤字となっているが、ファイナンスを直接投資(FDI)ではなくポートフォリオ投資に依存している。直接投資は国内の既得権益の反発を買うおそれがあるためだ。しかし逃げ足の速いポートフォリオ投資に依存することは、別のリスクを抱え込むことになる。こんな状況の中で、インドの金融システムの改革は今後の経済成長を維持するためにも欠かせなくなっている。