そして誰もいなくなった

American finance : And then there were none (The Economist)
タイトルはアガサ・クリスティの小説からか。株式市場にとって最後の最後に頼りになるのはウォーレン・バフェットだった。ソロモンの経営危機の時にも出資したし、今回はゴールドマン・サックスに投資を行うことになった。バフェットが投資するという効果は大きく、公募増資もかなり好調に進んでいるようだ。
以前にも書いたが、モルガン・スタンレーゴールドマン・サックス投資銀行から商業銀行への業態の変換を図った。その結果、投資銀行業界には「誰もいなくなった」ことになる。この変換が市場にどのような影響を与えるのか、まだまだ分からない。投資銀行は高いレバレッジを使って市場に流動性を供給していただけに、レバレッジへの規制が強化されることで市場にはプラスなのかマイナスなのか予想するのは難しい。高レバレッジをやめることは、収益の低下・報酬の低下にもつながるので、ヘッジファンドへの人材流出も考えられる。もちろんプラス面もある。破綻した銀行を安い価格で買収し、資金調達先を多角化することができるという点だ。