- 作者: イアン・エアーズ,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: 単行本
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回帰分析と無作為抽出テストが政策決定・医療に与える影響が述べられている。回帰分析や無作為抽出テストなどで得られたデータを元に治療方針を決めるのがEBM(Evidence Based Medicine)と呼ばれるものだ。門外漢からすれば、EBMは当然のことではないかと思うのだが、実際にはそうではない。大昔に学校で習ったことをそのまま行っているような医者も多いという。EBMは医療関係者の間では抵抗も強い。自らの経験や知識が脅威にさらされると受け止められるからだ。
今日、The EconomistでCharts:Worth a thousand wordsという記事を読んだ。チャートを使ってデータを分かりやすくプレゼンし説得するという行為の歴史といった感じの記事だ。非常に意外だったのだが、ナイチンゲールは統計学者としても高い能力を持った女性だった。兵士たちの死因を分析し、円グラフにして、負傷よりも感染症による死者が多いことを軍隊にプレゼンして病院設備の改善を行ったという。ナイチンゲールの円グラフがThe Economistにも掲載されているが面白いことに、数値の大小を現在のように角度で示すのではなく直径の長さで示している。そんな記事を読んでいるとナイチンゲールはEBMの先駆者だったのかもしれないと思った。違うような気もするが。。