- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 新書
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題名が適切ではないような気もする。狂牛病とは関連していることは間違いないが扱っている話題は、生命の根本に関わるものも含み、スケールが大きい。
体内の脂肪は、余剰時には蓄えられ、不足時には取り出されると考えがちだが、そうではないらしい。余剰・不足時ではなくても常に脂肪は追加され取り出されているという。会計処理における先入れ先出し法を実践しているようだ。
生物は、外界と個体との間に歴然とした区別があるように見えるが、分子レベルで見るとそうではない。生物は分子のよどみでしかないという。しかもその分子もものすごい速度で入れ替わっているというから驚きだ。
流れの中にしか、生命は存在し得ない。そこが生命のはかなさであり、人間はこのあたりの事情を直感的に把握しているのだろう。だからこそ生命を尊いものと考えるようになったのではないか。