NHKスペシャル「自治体財政(2)財政破たんを回避せよ・岡山市・2100事業をめぐる攻防」

録画しておいたものを見た。財政が危機的な状況にある自治体は全体の4分の1程度らしい。その中の一つが岡山市だ。5年後には夕張市のように破綻すると見ている。破綻を回避するために、民間企業出身の市長の肝いりで全事業の見直しを進めるのだが、結果的には大した削減はできなかった。支出の1%程度しか削減できないというから市長から見れば期待はずれだろう。行革を進める担当者に大きな権限を与えないと、なかなか改革も進まないだろうなという気がする。
勉強不足で知らなかったが、地方が公共投資を行うことを促進するために、事業費の一部を国が負担するという制度があった。このような制度があると見通しが甘い公共投資にもゴーサインが出てしまうのではないか。結果的に、地方経済を支えるつもりで行われた国の政策が、地方を疲弊させるという正反対の効果を生み出してしまったように見える。
自治体が一度はじめた事業を途中で中止することはかなり難しい。役所の担当者のメンツもあるし、事業の受益者(土木建設に関わると議員も含まれてくるだろう)からの反対も大きいためだ。また長期的な視点に立って事業を継続しなくてはならないという事情もある。儲からないからと言って民間企業のようにすぐに止める訳にはいかない。しかし一度はじめると、本来は手段の筈なのに、事業を行うこと自体が目的と化してしまう危険性は大きい。事業を開始する際には、費用対効果をどのように測定するのか、計画に盛り込んでおくべきだし、測定結果により事業を継続するかどうかを検証することも明記させておく必要があると思った。