20070205

  • 華やかなファッションモデル業界に異変が生じている。つまりグローバリゼーションだ。米国や欧州のファッションモデルの市場に、ロシアや東欧から多数の新人が流入している。新興国からのモデルは、ウェブサイトでプロフィールを公開することで先進国の顧客に簡単に売り込むことが可能だ。競争が厳しくなったために賃金は抑えられ、場合によってはショーで着た服を現物支給されるのみということもある。海外での仕事の場合は交通費はモデルの自腹となることも多い。新興国から来たファッションモデルは、米国人よりも熱心に働き、米国人モデルも押され気味だ。欧州ではEU内部であれば労働力の移動が自由なので、一層競争が厳しくなる。新人にとっては、かつてのスーパーモデルになる道も非常に険しい。デザイナーも名の通ったモデルよりも新人を好む傾向があり、雑誌の表紙を飾るのもセレブ、広告に登場するのもセレブであり、新人がキャリアアップを実現するのも困難だ。
  • ハーレー・ダビッドソンは好調な業績を背景に株価が急上昇している。しかし気がかりなことに経営陣が記録的な勢いで自社株を売却しているのだ。過去の経験では、経営陣が大量に自社株を売却した場合、その後の業績は冴えない。今回もこの法則が成り立つのではないかとの見方もある。同社の売上の8割は米国市場からだが、ベビーブーマーの高齢化と共に、同社の顧客層の年齢も上昇している。そのため顧客層を分散化させることが急務だ。特に女性や若い世代の取り込みが欠かせない。また、同社がローンを提供してバイクを販売していることも気がかりな点である。しかも貸出債権の劣化が進んでいるという兆候もあり、売上を増やすために信用度が低い若者層にローン付きで販売していることを示唆している。

  • 中国のネット株の中でも、外国ではあまり知名度がないのがTencent Holdingsである。10セントという名称だが、投資家は同社に高い期待を有している。昨年だけで株価は3倍になった。同社はQQというインスタントメッセージングサービスを提供している。QQに登録しているユーザーは中国のネットユーザーの3分の2以上となっており、大人気だ。QQ自体は無料で提供されているものの、携帯電話でQQを利用する際に料金を徴収したり、オンラインのアバター用の服などを販売することで収益を上げている。業績の伸びも高く、昨年の売上は倍以上になったと見られている。ただ競争は厳しさを増しているのも事実だ。同社の経営陣には高い評価が与えられており、同業他社と比較して製品開発にも多額の投資を行っている。そのため競争が厳しくなっても高い成長を維持できると見ているようだ。