- 作者: ウィリアムバーンスタイン,William J. Bernstein,徳川家広
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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資本市場の発展の描写が面白い。このあたりは、昨年末に読んだ「株式会社」にもかぶってくる。金融機関への信用があるかどうかが経済成長に大きな影響をもたらす。信用しないと当然、預金もしないし(預金保険なんて制度は存在しなかった時代だ)、金融機関が融資できる資金量も減少してしまう。フランスと比較して、英国はGDPではそれほど上回っている訳ではないのに(28%大きいだけ)、ロンドンの金融市場はパリの9倍の大きさであった。この差は金融機関への信用の差であった。
株式会社における、株主の有限責任も資本調達の面では大きな効果をもたらした。無限責任だと誰も見ず知らずの人が経営している株式会社には投資しない。また株主は裏切る可能性の低い人物を経営者に備え付けようとするから、親類が経営者になり、同族会社と化してしまう。有能な経営陣を外部から招き入れるのを難しくするのだ。
昨年購入したものの、全然読んでいない「珈琲相場師」(ASIN:4151728538)も紹介されている。いずれ読みたい。