“狐”が選んだ入門書

“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)

“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)

読了。面白い本がたくさん紹介されているのはありがたいのだが、紹介されている入門書はいわゆる文系分野に限定されているのが少し残念。理系分野も含めて欲しかったところだ。
北野氏のレポートにも書かれていたが、巻末の「あとがきにかえて」が面白い。読書を仕事にしているような研究者は好きなだけ本を読むことができて羨ましいと思えるかもしれないが、逆なのではないかと指摘している。読書生活と職業生活が一緒になってしまうので、職業生活に合致しない本を読むことが難しくなるのではないかと考えているようだ。反面、勤め人のほうが職業生活と読書生活が分離されているだけに、自由に読書を楽しむことができるという。
著者の主張には納得するのだが、勤め人の中にも知識労働者と呼ばれるタイプ(知識労働者ではないほうが少ないかもしれない)がいるし、このタイプの場合は仕事とプライベートを分けることが難しくなることから、読書生活でも自由は少なくなるのではないかという気もした。


紹介されている中で気になった本: