現代語訳 般若心経

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

読了。般若心経が現代の科学とおおむね整合性を有しているというのが驚きである。
般若心経は、写経よりも読経が大事らしい。さんざん意味を説明しておきながら、最後になって意味を忘れて暗唱してくださいという展開が面白い。確かに高校生の頃は、意味も分からずに読経していた。先生(住職でもあった)は「意味は分からなくても良い」と言っていたが腑に落ちなかった。この本を読んで少しこの言葉の意味が理解できたような気がする。

私という意識があるが故に、苦しみがあるという指摘にはなるほどと思った。苦しみも感覚と同じで感じる人がいて初めて存在するものだ。神経系の進化が苦しみを作ったとも言える。進化論の観点では、苦しみという感情も何らかの適応なのだろう。