- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 新書
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般若心経は、写経よりも読経が大事らしい。さんざん意味を説明しておきながら、最後になって意味を忘れて暗唱してくださいという展開が面白い。確かに高校生の頃は、意味も分からずに読経していた。先生(住職でもあった)は「意味は分からなくても良い」と言っていたが腑に落ちなかった。この本を読んで少しこの言葉の意味が理解できたような気がする。
私という意識があるが故に、苦しみがあるという指摘にはなるほどと思った。苦しみも感覚と同じで感じる人がいて初めて存在するものだ。神経系の進化が苦しみを作ったとも言える。進化論の観点では、苦しみという感情も何らかの適応なのだろう。