人間はどこまでチンパンジーか?―人類進化の栄光と翳り

人間はどこまでチンパンジーか?―人類進化の栄光と翳り

人間はどこまでチンパンジーか?―人類進化の栄光と翳り

妻と話していて、人間の排卵は本人にも分からないのに、なぜサルの場合は他の雄に分かるようになっているのかという話題になった。この本によると、人間の女性は常に受け入れ可能なのでヒトの交尾のほとんどは妊娠不可能な時期に行われるようになっているという。そのため避妊を行わずに毎日最高頻度でセックスしても一月経周期に妊娠する可能性は28%にしかならない。畜産における人工授精では75%の受精が予想できることと比較すると非常に低い数値だ。
なぜ排卵を隠すようになったのか。いくつかの説明が紹介されているが決定的なものはまだ存在しないようだ。面白かった説明が、もし排卵の時期が分かれば、そのときだけ交尾をすればよいし、排卵時期以外は夫は妻が他の男に妊娠させられるという心配を持たずに浮気をすることができるので、このような態度を夫がとれないように女性は排卵を隠すように進化したのではないかというものだ。

別の章では結婚相手をどのように選ぶかという疑問にも答えている。単純ではあるがヒトは自分とよく似たヒトを配偶者として選ぶ傾向があるようだ。つまり、自分の異性の親や兄弟姉妹と似た人間と結婚したがるということである。自分に似たヒトと結婚する傾向があるといっても、近親相姦にならないようなメカニズムも人間には組み込まれているようだ。人間に限らずラットでも同じようだが。

偶然なのかもしれないが、夫婦間での中指の長さの相関関係は0.61という非常に高い数値になっているらしい。これは性格の相関関係である0.4よりも大幅に高い。