- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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人口制限に関する主張が面白かった。自然界では個体数が際限なく増加することはない。環境による制約や親がどれだけ子を育てられるかで個体数の増加は抑制される。しかし人間の場合はそうではない。育児できなくても子供を作り続けることができる。現在には福祉国家が存在するためだ。親が放置しても子供の世話は政府が面倒を見てくれるのだ。福祉国家が人口抑制の仕組みを損なっている。避妊は不自然だと主張する宗教もあるが、同じように福祉国家も不自然なのだ。確かに福祉国家は生物が作り出した利他的なシステムの最高のものかもしれないが、利他的なシステムには常に脆弱性が潜んでいる。利己的に振る舞う個体が濫用する可能性があるためだ。