20060619

  • 一時は閉鎖さえ検討されていた、米国のプロサッカーリーグであるMLS(Major League Soccer)が再び浮上してきた。観客数も増え、テレビ局との放映権の交渉では収入を得ることも可能になった。今までは逆に支払っていた。ただし米国でメジャーなスポーツになるにはまだまだ先は長い。観客数は少ないし、欧州のリーグと比較するとプレーの水準も劣る。しかし将来性を見越して、他のスポーツチームを保有している投資家や企業が投資を行っている。MLSは一つの企業として存在しており、個々のチームごとに企業が存在する訳ではない。プレーヤーの給与はMLSのオーナー全体で支払うことになる。給与水準は欧州と比較して低い水準にとどまっており、平均で10万ドルにも届かない。厳しいサラリーキャップが存在する。ただロナウドベッカムなどの欧州リーグのスターを招聘するために、特別ルールを設けようとする声もある。ただ収益性も確立していない状態で年俸だけが上昇する事態を懸念する声もある。リーグではサッカー専用のスタジアムの建設も積極的に進めている。スタジアムには子供用のフィールドも併設され、低年齢のファンの取り込みも念頭に置いている。
    チームごとに企業が分かれていないというのがおもしろい。スポーツリーグの制度設計はなかなか難しい。常に競争相手がいないと成り立たないビジネスだから、圧倒的に強いチームができてしまうのも問題となってしまう。
  • ETFが人気を集めており、多くのファンドが設定準備を進めている。しかし大きな問題が浮上してきた。多くのファンドの申請が相次いだためにSECの審査が滞っているのだ。数年以上かかってしまう場合もある。そのため運用会社は新商品を市場に投入するのが遅くなり、不満を見せている。議会でもSECの審査処理の遅れは問題視されている。遅れてしまう原因としては、申請の数が増加していることに加えて、担当部署の責任者が頻繁に交代していること、投資信託がらみでは多くの問題(引け後取引や短期間での売買)があり、それに対処するのを優先していたという点がある。ただモーニングスターのアナリストによると、審査に時間がかかるのは必ずしも悪いことではなく、似たような商品が多数市場に殺到して投資家を混乱させるのを避けることができるというメリットもあるという。
    しかし一般企業のIPOでも数年も審査にかかることはないだろう。ETFのほうが仕組み的にはかなりシンプルだと思うのだが。