20060615

  • エマージング市場では株式や債券が急落しており、投資家のリスク許容度は低下したかのように見える。しかし米国や欧州のジャンク債市場ではまったく変化がない。クレジットスプレッドも変わらずに推移している。そのためプライベート・エクイティ・ファンドでは引き続き容易に資金を借り入れ企業買収を進めることができる。背景には、ヘッジファンドなどの投資家が引き続き運用先に困っているという状況がある。そのため少しでも利回りがいい投資先に資金が流入している。借り手の力が強いために、金利だけではなく貸出条件でも借り手有利の状況になっている。また金融技術の向上により、流動性に劣るジャンク債や貸出債権を、CDOやCLOといった仕組み債に仕立て上げ、流動性をもたらすことができるようになったことも需要を高める結果につながっている。

  • 先物や株式などの取引が電子化されつつある。以前はトレーダーがフロアに集まり押し合いへし合いしながら大声で価格や数量を叫びながら取引していたものだった。電子化によりこのようなノイズも消えつつある。しかしこのようなノイズを懐かしむトレーダーも多い。ノイズから有益な情報を得ることができると彼らは信じているのだ。そのため電子取引で取引所から遠く離れた場所でトレードする人たちに、取引所のフロアで発生するノイズにまねた音を生み出すソフトウェアが登場している。MarketSoundという商品であり、NASDAQも同様のソフトウェアを提供している。価格の変動や数量に応じてノイズが変化するという特徴がある。

  • ジョンソン大統領の頃に始められた貧困対策は勢いを失っている。政府だけでは貧困層の支援を行うのも困難であることから、民間の慈善団体による支援も広まっている。米国は好景気であるものの、生み出される職に必要な学歴を有していない労働者にとっては仕事にありつくのも難しい。政府の調査によると全米世帯の1割以上が食事を満足にとれるかどうか不安を抱えているという。食糧支援を受けている世帯の中でも、直感に反して勤労世帯は非常に多い。しかも深夜まで働いているケースも目立つ。また白人の貧困者も増加している。働いているものの、医療費や電気代・ガス代の上昇により食料費を切りつめなくてはならない状況に追い込まれている。子供たちに対する食糧支援として広まりつつあるのが、学校で金曜日の午後に食事が詰まったナップサックを配布するというものだ。週末に子供が満足に食事できるようにという趣旨で始められているものの、家族でシェアする場合も多いという。このような支援が始まる前には、金曜日の給食には子供たちの間でパニックが見られたという。週末に空腹で苦しまないように腹一杯食べておこうとするためだ。空腹が原因と見られる病気も子供たちの間では観察されたという。この食糧支援は現地の企業などからの寄付によって行われている。
    WSJでは貧困に関する連載記事が始まった。第1回目。朝から重い記事を読んでしまった。CBSドキュメントにも登場しそうな話題だ。国内に発展途上国を抱えているようなものか。
  • AMDが、自社MPUIntelMPUよりも消費電力が低いと謳っている。Intelも対抗策を急いでいるところだ。この両社の動きに代表されるように、パソコン業界ではいかに消費電力を引き下げるかが大きな問題になっている。それは環境保護団体からの圧力に屈したのではなく、顧客からの要望が無視できないくらい大きくなってきたのだ。新しい政府規制では、パソコンの電力ユニットの変換効率を大幅に引き上げることが盛り込まれている。パソコン本体に隠れて気づかれないものの、周辺機器に電力を供給するDCアダプターも消費電力が多い。待機している間でも場合によっては10ワット以上の電力を消費する。カリフォルニアではこの問題に対抗するために、DCアダプターは待機中には1ワット以上の電力を消費してはならないという規制を導入した。この動きは他州にも広がりつつある。消費電力を抑制する機器の設計は、消費者にとっては痛みを伴わずに地球温暖化対策に協力することにつながる。
    はてなhttps://www.hatena.ne.jp/info/greenpowerのようなことを取り組んでいることから、コンピュータの消費電力にも関心を寄せているのだろう。しかし風力発電でサービスを提供しているということを聞いて、名刺に「再生紙を利用しています」という文章が刷り込まれていることを連想してしまった。
  • 大学を卒業して社会人になった人たちに贈るお金のアドバイススターバックスでコーヒーを飲むぐらいなら、自分で作れ。外食を抑えて自炊する習慣を。昼食も自分で弁当を作った弁当を持っていくほうがよい。給与の1割を貯金。引き出せないように給与が振り込まれる口座以外に入れておくと良い。投資先としては債券ではなく、株式インデックスファンドがおすすめ。若い世代の401K加入率は非常に低いが早く始めた人のほうが圧倒的に有利。自動車以外の消費財を借金して買うな。自動車は必要品だから仕方がないが、リース落ちの車を安く手に入れることができる。車や家を買う際にはローンのお世話になるが、できる限り低い金利で借りれるように、自分の信用履歴をきれいにしておく。つまり、無駄に分割払いで買うことを避け、一括払いですませる。クレジットカードを持つのは2枚まで。
    人気記事ランキング1位に登場していたので読んでみた。
  • 少子化に悩む日本だが、結婚式産業は活況だ。表参道にあるセント・グレース・カテドラルでは一時間の結婚式の費用が500万円もかかる(ゲスト100人の場合)。しかし式を挙げる日本人はクリスチャンではないので、本当の聖職者はこのような場所では式を行わない。そこで聖職者に扮して結婚式を執り行うのが、モデル事務所から派遣されてきた英語の教師などである。週3日働いて年収1000万円以上稼ぐ人もいる。
    モデル事務所から派遣されてくる牧師や神父というのがおもしろい。私はハワイの教会で式を挙げたが(もちろんクリスチャンではない)、そこの神父(か牧師)もかなりハンサムな人だったな。本物なのか気になった。