20060530

WSJのBreaking Newsで、ゴールドマン・サックスのCEOが財務長官に就任する可能性を報道していた。予想通りの展開

  • マイクロソフトのゲームマシンであるXbox 360のハッキング行為が横行している。初代Xboxでは簡単にハッキングされたが、今回はマイクロソフトも専用チップを利用してセキュリティ対策を強化している。無認可のソフトや海賊盤をプレーすることを阻止するためである。しかしそんなマイクロソフトの対策は、ハッカー魂を一層燃え上がらせる効果しかなかったようだ。多くのハッカーが誰が一番最初にハッキングするか競い合っており、オランダのチームが一番乗りを宣言した。初代XBoxのハッキングとその手法を紹介した書籍(Hacking the Xbox: An Introduction to Reverse Engineering ASIN:1593270291)によりセレブになったハッカーも今回は出遅れてしまったようだ。ハッキングするための専用チップもネットでは取引されており(このような行為は米国の法律では違法)、大きな産業に成長している。

  • 日本および米国では好調なトヨタ自動車だが、中国市場では苦戦している。これは中国市場をあたかも日本市場と同じように扱ってきた経営陣の問題であった。トヨタの中国市場の責任者が米国部門の功績者に交代したときに、この問題を改めて認識することになる。そこで打開策として、引退を検討していた米国人幹部社員を米国から連れてきた。中国のディーラーの営業マンは日本のような固定給中心の報酬体系ではなく、コミッション収入のウェイトが大きい。これは米国と同じである。しかもディーラーは多くのブランドの車種を扱っており、トヨタ一社に忠誠を誓っている訳ではない。そのため信頼感がなくなるとすぐに別のメーカーの製品に移ってしまうのだ。そして、中国市場は日本のように文化的に均一な国ではなく、気候・地理条件も様々である。このような特性を米国人幹部社員達が米国流の解決策で対応しようとしている。問題を抱えていた発注・納入システムに関しては米国流を取り入れることでだいぶ改善してきた。米国人社員が存在感を示すことは、反日感情が残る中国において、中立なイメージを植え付けることにもつながっている。

  • ゴーン氏の下で復活を果たした日産。同氏が掲げたコミットメントを昨年9月に達成したが、その後の同社の業績は芳しくない。ライバルとトヨタやホンダは生産能力の拡充に努めているものの、同社の生産量は減少している。売れ行きが前年割れになっているのだ。この原因はゴーン氏の経営手法に問題があったとの指摘がある。コミットメントを実現するために、新車を昨年までに一気に投入したために、その後の需要を食いつぶしてしまったと見ているのだ。現在は短距離競走からマラソンへの移行を進めている最中だと見ている関係者もいる。
    難関大学に合格した生徒みたいなものか。燃え尽き症候群
  • ソニーは米国ではエレクトロニクスと映画といったイメージだが、日本では様々な商売を行っている。実際ソニーの稼ぎ頭はエレクトロニクスではなく、金融(保険・銀行)なのだ。金融以外でも化粧品からレストランなど様々な事業を展開している。これはソニーの歴代の経営者の野心のたまものであるが、幅広い事業を行っていることがソニーのブランドをぼかしてしまっているとの指摘も多かった。すでに日本ではソニーのブランド価値は低下している。今まではソニーという名前だけで競合他社よりも高い価格で販売できていたのだが、そのプレミアムは急速に低下している。ソニーのエレクトロニクス部門は液晶テレビのヒットなどで回復しているものの、プレミアムの低下は止まらない。現CEOのストリンガー氏は非中核各部門を売却することでソニーを再びエレクトロニクスにフォーカスさせるとの意向を見せている。金融事業も早ければ来年にも上場させる可能性も指摘されている。
    あまりソニーに対する憧れはないが、ブログを見ているとソニー信者も結構多いような印象。VAIO Type Uの新機種はいかにもソニーらしい製品だと感じた。やはりソニーはこうでないといけないと思う。
  • ソニーの映画、ダ・ヴィンチ・コードは批評家への試写会をほとんど行わずに上映に踏み切った。この映画に限らず、最近では批評家向けに試写会を行わないで一般公開に踏み切る映画が増加している。今までの映画業界と新聞業界の蜜月関係が危機に瀕している。映画会社は批評家向けに試写会を、そして新聞に広告を掲載することで恩を売り、新聞会社は映画を大々的に織り上げて注目を集めるというのが今までのやり方だった。しかし新聞の購読者数が減少していることに加えて、消費者の行動も大きく変わっている。若い世代では携帯メールで情報交換を行うし、もっと上の世代でもウェブで情報検索するようになったためだ。また新聞会社が映画会社向けの広告料金を引き上げているという点も自らを苦しめる結果になっている。映画会社は新聞広告とウェブでの広告をどのようにバランスさせればよいか試行錯誤を続けている。