野球

妻はシカゴに行った際、メジャーリーグの試合を見ることになっているらしい。マリナーズホワイトソックスの試合だそうだ。私は今までプロ野球を生で見たことがない。特に日本の野球はみたいと思わないものの、メジャーリーグの試合は見てみたいと思っていた。向こうの野球場(ボールパークというらしい)がなかなかいい感じに見えるからだ。
ビル・ブライソンの「ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー」(ASIN:4022613610)の中に、「私を野球場に連れて行って」という面白いエッセーがある(他もどれも面白いが)。引用するとこんな感じだ。

ワールドシリーズとはアメリカンリーグナショナルリーグのそれぞれの覇者が年に一度雌雄を決する試合のことだ。
じつは何年か前に制度が変わったために、今私が言ったことはそのまま真実というわけではない。昔の制度の問題点は、たった2チームしか参加できないということだった。さて、そこにどうにか2チーム以上を参加させれればさらなる金儲けができるということは、脳外科医でなくてもわかるだろう。
そこで、それぞれのリーグは4つか5つずつのチームごとに3つに分かれた。いまやワールド・シリーズは、各リーグの最高の成績を収めた2チームが最強の野球チームを決する場ではなくなり − 少なくとも必ずしも最高成績である必要はなくなり、西地区、東地区、中央地区それぞれの勝者と、さらに(ここがとくにすばらしいところだが)、”ワイルド・カード”と呼ばれる覇者でも何でもないチームがプレーオフを行い、リーグ優勝を勝ち取ったチーム同士が最後に戦う場となった。
何もかも非常に複雑だが、要するにシカゴ・カブズ以外はどのチームにもワールド・シリーズに出場するチャンスが生まれたということだ。
シカゴ・カブズが出場できないわけは、こんなとびきり融通のきくシステムのもとでも、かのチームはどうしても出場資格を得られないからだ。

このように続けた後で、カブスがなぜワールド・シリーズに出場できないか、理由を説明し、シカゴのリグリー・フィールドでシカゴ・カブズの試合を見ることは最高のアメリカ体験の一つであると主張している。
この一文を読んで、ワールドシリーズの仕組みを理解した(つもりになった)ことに加えて、リグリー・フィールドで試合を見たいと思うようになった。
残念ながら、妻が見る予定の試合はカブスではないのでリグリーではないのだろう。