20060426

  • サムソン電子は急激な成長を見せており、家電業界のリーダーに上り詰めた。しかし大きな問題に直面している。今までは他社が開発した技術を改良して低価格で販売するという戦略で成長してきたが、これからはオリジナルな製品を提供する必要が出てきた。会社のイメージを決定づけるような代表的な商品を生み出すのが課題となっている。ソニーにおけるウォークマンやアップルにおけるiPodのような製品だ。そのため同社では研究開発費を大幅に増加させており、研究開発に携わるスタッフも急増している。

  • PDAや携帯電話、iPodなどの小型の情報端末が普及するにつれて、眼精疲労を訴える人が増加している。小さい画面の小さい文字を長時間見つめるためだ。パソコンでも眼精疲労の問題は存在するが、文字が小さく、バッテリーを節約するためにコントラストを抑えているPDAなどでは大きな問題になる。マイクロソフトではPocket PC用のフォントを開発し、モトローラでも対策となる技術を導入した。利用者は長時間画面を見ることなく、時々は遠くのものを見つめて目を休ませることが大事だと眼科医は指摘している。正確な統計はないものの、小型の情報端末の利用により若い世代でも老眼鏡を必要とする人が増加しているとの指摘もある。ただユーザーは利便性を考えると目の疲労程度は仕方がないと割り切っているようだ。
    TH55WSJを毎日読んでいたので、苦労はよく分かる。
  • イタリアの女性は非常にきれい好きである。料理以外の家事に週平均21時間費やす。台所や風呂場は週4回も洗う。そしてシーツやタオルにまでアイロンをかけるという徹底ぶりだ。これは洗剤をメーカーにとっては非常に魅力的なデータであるが、P&Gユニリーバはイタリア進出当初は売り込みに苦労していた。イタリア女性は便利な製品よりも強力な商品を好むことがわかっていなかったためだ。便利さを追求すると機能的に劣っているのではないかとの印象を与えていたのだ。イタリアは第2次世界大戦後長い間貧しかったので労働力を節約するするような家電製品の普及が遅れていた。そして女性の社会進出が遅いことも家事に充分な時間を使える原因となっている。食器洗い機の普及も鈍い。きれいに洗えないのではないかと疑っているためだ。また乾燥機にも同様だ。繊維を傷めるとの懸念が大きいのだ。そのためイタリアでの乾燥機は材質に応じて回転速度や温度を調整できるようになっている。
    これは初耳。クーリエ・ジャポンに掲載されそうな予感。
  • 昨年就任したローマ教皇ベネディクト16世に自社製品を使ってもらうと多くの企業が熱心に活動している。自社製品を寄付してなんとか使ってもらい、願わくば公の場でも使っているところを写真にでも撮られてほしいと考えているのだ。普通のセレブとは桁違いの信奉者がおり、教皇が利用しているという事実は製品売上に大きなインパクトを与えると見られるためだ。しかし教皇を商売に利用していると見られるとバッシングも予想されるために、慎重に事を進めなければならない。そのため実際に自社製品を利用していることが明らかなメーカーも、特にその事実をプレスリリースなどで公表しないようだ。Appleもその一社である。プラダのローファーを履いているとの噂もあるが、まだ確認はとれていない。教皇iPod Nanoを所有していることは明らかになってる。前任者のヨハネ・パウロ氏の時代は、あまりプロダクト・プレースメントというアイデア自体があまり普及していなかったし、晩年は病気がちで公の場に姿を見せることは少なかったので今の教皇ほど熱心にマーケターがチェックしていなかった。
    教皇が使えば宣伝効果抜群だ。iPod nanoでどんな音楽を聴いているのか気になる。
  • 乗客数は上昇しているものの、航空業界は長年損失を計上してきた。その一方で航空会社にサービスを提供している、整備会社などの業者は高い利益を上げている。ここに着目したのが、カナダの航空会社であるAir Canadaだ。同社の親会社であるACEはAir Canada以外にも整備会社やマイレージプログラム管理(Aeroplan LP)も抱えており、マイレージ会社は上場まで実現した。上場企業の時価総額を見ると、ACEの中でAir Canadaの価値はマイナスと評価されているに等しい。マイレージ会社は、クレジットカード会社にマイルを販売する。クレジットカード会社は利用者への特典として利用頻度に応じてマイルを提供するわけだ。今までマイルの提供にどの程度のコストがかかるのかは航空会社でも正確には把握していなかった。
    Aeroplanは上場したものの、企業ではなく信託という形態を取っている。どのようなビジネスモデルなのかは記事からはよく理解できなかった。兄弟会社のAir Canadaからマイルを購入して、それをクレジットカード会社に転売してその差額を稼ぐということなのかな。