20060424

最新号のThe EconomistはNew Media特集。ブログやwikipodcastingなどがThe Economist流の分析で紹介されている。多いので全部は読めそうもない。若い世代におけるブログの使い方という記事が興味深かった。メールの代わりとしてブログを利用しているらしい。今のティーンエイジャーたちはスパムがないメールというものを経験したことがないのでメールでコミュニケーションをとるよりもブログで仲間と連絡するほうが便利だと考えているらしい。

  • Apple Computers以上にiPod関連のニュースが株価を左右する企業が台湾に存在する。昨年秋にIPOを行ったInventec Appliances(IAC)である。同社の売上の6割以上はiPodの生産で占めており、iPodの売れ行きのニュースが株価を大きく動かしている。上場してから昨年末までに株価は倍になっているものの、その後は下落している。Apple自体がiPodの売れ行き予測を引き下げたことやIAC以外にもiPodの生産を委託する可能性が出ているためだ。同社はAppleへの依存度を低めるべくスマートフォンなどにも進出し、Apple以外にもPalmからも受託している。iPodフォンが登場した場合には同社が生産を受託する可能性が大きい。Appleが生産を委託している会社は同社以外にも複数存在する。ASUSTeKなどである。ただIACほど依存度が高い企業はない。IACの前身となる企業がAppleよりNewtonの生産を受託したことから同社はPDA製品の生産受託事業を展開することになったという経緯がある。
    ipodフォンはほんとに登場するのか?
  • 原油価格が70ドルを突破しているものの、ガソリンスタンドをのぞいては一般消費者はインフレ圧力を感じていない。企業も原油高を口実に製品価格値上げを打ち出すことは難しい環境にあり、できる限り業務効率を改善してエネルギーコストを社内で吸収しようと努力している。大量に燃料を消費する航空業界でさえ、エネルギー効率はだいぶ改善している。原油価格に対するヘッジに加えて、できる限り安い場所で燃料を大量に購入するなどの手段を通じてコストを抑えようとしている。企業による努力は続くものの、いつまで値上げを躊躇するのか、経済学者の間でも意見が分かれている。一部のエコノミストは、原油価格が一気ではなく徐々に上昇していることが企業がうまく対応できている原因だと見ている。

  • Anheuser-Buschはしばらく前より、ワールドカップの公式ビールメーカーとしての地位を確保している。そのため6月に行われるドイツ大会でも自社製品のPRを積極的に行いたい考えだが、アメリカチームが優勝するよりも難しい挑戦が待っている。ドイツはビール消費大国でしかもサッカー好きの国であり、同社にとってはまたとないチャンスなのだが、バドワイザーはドイツでは不人気なのだ。味が薄いとの不評を得ている。しかもチェコ醸造所との訴訟により、バドワイザーという名称さえドイツでは利用することができない。会場では自社製品のみを販売することもできるのだが、不人気である自社製品のみを販売した場合、同社に対する風当たりが一層大きくなることも予想されるため、訴訟相手のチェコ醸造所と組んで、両社のビールを販売する計画だ。