20060422

  • 自分探しを行っているIMFの現状。好調な経済と過剰とも言える流動性のおかげでIMFの援助を求める国も少ない。融資残高もかなり減少している。IMFの世話になる国が少ないのは悪くない話のように思えるが、当のIMFにとっては問題となる。融資残高が減少していることは金利収入が減少することを意味しており、それ以上に大きな問題として、融資と引き換えにIMFが求めてきた経済改革を実行させる能力に限界が出ているということだ。アジア通貨危機でも明らかになったように、IMFの求める経済改革は現地社会の現状を無視したものであることも多く、例えばインドネシアではIMFの指示に従ったばかりに暴動が発生し政権がひっくり返る事態にまで進展した。多くの国でもIMFに対する反感は高まっており、韓国ではデモが「IMFはI'M Firedの意味」だとして抗議行動まで発生している。うるさいIMFから逃れるためにスケジュールを前倒しして融資を返済する国もある。現地社会の協力がないと改革は成功しないとの反省に基づき、IMFは現在はよりソフトなアプローチで高圧的な態度ではなく、説得を軸に経済アドバイスを提供するようになった。収入の減少からIMF自身のスリム化の進められている。
    IMF=I'M Firedが面白い。
  • eBayとGoogleは以前より近い関係にあった。eBayはGoogleAdWordsを大量に購入しており、Google経由でサイトにやってくるユーザーも多い。以前はマッキンゼーコンサルタントのレポートにもあったようにGoogleはeBayと競合しないとの見方が社内では大勢を占めていた。しかし最近ではeBayはGoogleの脅威を感じるようになってきた。GoogleGoogle BaseはGBuyといったeBayのビジネスにとって大きな競争相手となるサービスを投入しているためだ。そこでeBayはGoogleへの依存度を低めるための戦略を真剣に検討している。そこで同社はMicrosoftYahoo!と個別に交渉を行っており、何らかの提携関係が生まれる可能性もある。ただGoogle検索エンジンの性能が優れているために、他社のエンジンを利用することにためらう声もあるもの事実だ。また一社に肩入れするのではなく平等につきあうことを望む声も社内にはある。同社が直面するような事態(競争と協業の微妙な関係)はハイテク業界においてはよくあることだが、進化の速度が速いネットでは一層競争と協業のバランスを取ることが難しくなっている。
    誰が味方で、誰が敵なのか。めまぐるしく変わる。昨日の味方は明日の敵。