20060411

結局、昨日のHeard on the Streetは休載だったみたい。こんなことは初めてかも。

  • 要約版のwebをオフラインで閲覧できるようにするサービスをWebarooという会社が開始する。パソコンメーカーのAcerと提携し、AcerのノートPCにWebarooのサービスをプレインストールする計画だ。同社のサービスはネットを巡回してネットのサブセットと呼べるような圧縮版を作成する。この圧縮版は40GBなのでノートPCでも保存できる。もちろんすべてのデータが入っている訳ではなく、頻繁に更新されるサイトでは古いデータが収録されることになるが、検索した場合は、おおむね有益な検索結果が返ってくるという。ユーザーがネットに接続した場合には、最新データと同期を取るようになっている。同社は広告により収益を確保する考えだ。
    isiloやplucker、PiloWebProなどpalmによるオフラインブラウザの巨大版といった感じか。Webarooのキャラクターはカンガルーみたい。
  • フランスのAlcatelと米国のLucentが合併することになった。このニュースはルーターメーカーであるJuniper Networksにも飛び火している。同社も買収ターゲットになるのではないかと噂で株価が大きく変動している。同社が生産しているルーターはネットでより大容量のマルチメディアコンテンツが提供されるにつれてますます重要性が高まると見られている。同社の売上に占めるLucent向けの比率は4割以上であり、AlcatelはJuniperと競合する製品を抱えていることから、Lucent向けの売上が減少するとの懸念がある。またシーメンスモトローラエリクソンなどが、2社の合併に対抗して製品ポートフォリオの拡充に乗り出した場合にはJuniperが魅力的に映ると指摘するアナリストもいる。ただJuniperのPERは平均を大幅に上回っており、割高な買収となる上、同社のCEOは以前自分が経営していた会社を売却した際に統合がうまくいかず苦しんだ経験を持っていることから自社売却は行わないのではないかとの見方もある。
    この記事の見出しの中に、「in play」という表現がある。買収期待が出ている状態を示すものだと思う。通常は株式は利潤証券として評価されているが、買収期待が高まると支配証券として評価される状態になる。この状態が「in play」と言ええそうだ。
  • Walt DisneyがABCテレビで放映している人気ドラマを放映直後からウェブサイトで無料で視聴できるようにする計画を進めている。今月末にリニューアルされるサイトで提供される予定だ。地上波とは異なるCMが挿入される予定で、すでに大手広告主を確保している。過去の番組もネットで視聴できるようになっている。番組は早送りや巻き戻しはできるが、CMをとばすことはできない仕組みとなっている。ダウンロードできる選択肢も今後用意するとしている。ABCは米国のメディア業界の中でもネットに対して最も精力的に取り組んでおり、他社も同社の動きを見て何らかの行動を起こすべく圧力がかかる可能性もある。しかしネットでストリーミング配信することは、提携局の不満を一層買うことになりかねず、提携局との利益配分に関しては今後の課題となっている。またDVDの販売が鈍るとの見方もあるが同社では特に影響はないものと見ているようだ。ネットで配信することで、オフィスで働くユーザーという未開拓市場を取り込めるとの期待もある。
    オンラインで配信されるとHDDレコーダーの存在価値は減少するかもしれない。録画しなくてもネットで見ればよいわけだから。オフィスでの視聴者獲得という狙いが率直過ぎて面白い。ストリーミング配信で社内LANのキャパシティが圧迫されると通信自体をブロックされる可能性もありそうだ。