- GMのリストラの柱であったGMACの過半数株式の売却が発表された。92年に創設されたサーベラス(cerberus)が買い手だ。citigroupも投資家グループの一員として出資に参加する。サーベラスにとっては長い歴史を誇るGMのGMACを買収することは大きな転換点となる。サーベラスにとってのGMACはKKRにとってのRJRナビスコに等しいとの声もある。またプライベート・エクイティ・ファンドやヘッジファンドの存在感の高まりを再度認識させるイベントとなった。サーベラスにとっては今回の買収は大きなリスクを伴う。リスクを分散させるためにファンドの多くは同一企業にあまりにも多くの金額を投資しないが、今回の場合ファンドが出資しているあおぞら銀行まで投資に加わる。しかし買収価格は純資産に近いために大きな収益を上げる可能性も大きい。GMの取締役会は最後までGMAC売却には躊躇していたようだ。自動車ローン分野は残して売却するという選択肢も検討されていた。GMはファンドではなく金融機関に売却したいという意向があったが、買い手が現れず失望することになった。メインバンクであるCitigroupは単独で買収する魅力に乏しいと判断している。Sign of the Times: A Deal for GMAC By Investor Group面白い。サーベラスの歴史がよく分かる。
(WSJ)(2006/04/04)(Finance)(2,374 words)(Rating:5)
Readability: fog=14.28 flesch=44.51 kincaid=11.38
gmac (38.89) cerberus (37.54) gmac's (25.19) feinberg (21.87) auto-finance (19.85)
- ハッカーといえば、良い意味で用いられる場合でも悪い意味で用いられる場合でも、コンピュータに関係する言葉であった。ハッキングとは改造して当初考えられていなかったことを実現させる行為を示すが、この点においてはトーマス・エジソンもハッカーといえる。自動車では昔から改造するユーザーは多かった。最近では自動車にコンピュータが満載されるようになり、車内コントローラーをハッキングする人も出てきた。プリウスは低速では電気、高速ではガソリンを利用して走るが、コントローラーをハッキングして電気走行する条件を変化させている人がいる。コンピュータだけではなく、家電でもハッキング行為が目立ってきた。このような事例を紹介するMakeという雑誌まで創刊されている。ハードディスクレコーダーのTivoでは多くのハッキングが行われている。ハッキングによりメーカーのビジネスモデルが危機にさらされる場合もある。例えばゲームマシンのXboxだ。ソフトウェアの販売でハードウェアのコストを回収しようとしているが、ハッカー達はxboxをLinuxマシンに改造する方法を見つけ出した。低価格の強力linuxマシンに変身させるのだ。このような行為が横行するとゲームシフトが売れずマイクロソフトの収益が悪化してしまう。多くのメーカーはハッキングに対してはいい顔をしないが、自社製品の改造に熱中するユーザーは一番良いお客とも言え、積極的にハッカーを取り込む動きを見せる企業もある。hackableが大事。Hackers go homeThe EconomistのTechnology Quarterlyからの記事。面白い記事が多い。この記事を読むとこれからの製品開発ではハッカーを取り込むことが大事かもしれないと思った。加えてハッキングしやすい(hackable)製品にするのも必要かもしれない。ただアフターサービスが面倒になるかもしれないが。
(The Economist)(2006/03/09)(TMT)(1,233 words)(Rating:4)
Readability: fog=16.43 flesch=32.93 kincaid=14.48
hackers (13.98) prius (12.95) tivo (11.97) irobot (11.91) hacker (11.35)
- ソフトウェアの部品化という考え方は70年代より存在していた。しかし最近まではソフトウェアメーカーの囲い込み戦略により日の目を見ることは少なかった。そこに登場したのがオープンソースソフトウェアという運動だ。オープンソースによりソフトウェアの部品化、様々なソフトウェア(サービス)を組み合わせてアプリケーションを開発することが非常に容易になった。web2.0とも呼ばれるこの動きは大手ソフトウェア会社を脅かしている。マイクロソフトだけではなくAdobeにも脅威を与えている。すでに存在している部品を組み合わせることで容易にアプリケーションを開発することができるので、ベンチャー企業が参入しやすくなった。インドへのアウトソーシングを行う理由がなくなるかもしれない。また起業コストの低下は、ベンチャーキャピタルを不要にしている。Software Out There「英語で読むITトレンド」に登場しそうな記事。JOHN MARKOFF記者のテクノロジー分野の記事は面白いものが多いような気がする。
(New York Times)(2006/04/05)(TMT)(1,762 words)(Rating:5)
Readability: fog=16.84 flesch=30.92 kincaid=13.42
ajax (16.27) modular (15.04) programmers (14.54) ozzie (13.70) transcribers (13.06)
- ネット上でのユーザーのネットサーフィン履歴を監視して、ポップアップ広告を表示するeWalletが以前問題になった。訴訟騒ぎにまで発展したが、このソフトウェアを開発していたGatorが新しいサービスを始める。同社は現在はClariaに社名を変更している。新しいサービスはPersonalWebというもので、専用ソフトウェアをダウンロードし、そのソフトウェアがユーザーのネットでの行動を監視する。そして、専用ホームページにユーザーの好みに応じた内容を表示するというものだ。しかしYahoo!などでも同じようなパーソナライゼーション機能はあるが、利用している人はそれほど多くはなく、加えてブラウザのホームページをあえて変更する人も少ないのが現状だ。そのような中でどの程度 PersonalWebを利用する人がいるか、疑問の声もある。ただ同社は、単にソフトウェアをインストールするだけで、自動的にユーザーの好みを判断するのでユーザーの負担は大幅に低いために利用者は多いと見ている。表示する広告もユーザーの好みに応じたものなので高い単価を得ることができると踏んでいる。Every Click You Make, They'll Be Watching Youこの記事の題名「Every Click You Make, They'll Be Watching You」はThe Police(ベストヒットUSAの小林克也風に言うと、ザ・ポリース)の「見つめていたい」から取っているのだろう。
(New York Times)(2006/04/03)(TMT)(1,183 words)(Rating:4)
Readability: fog=17.24 flesch=37.71 kincaid=14.03
claria (29.28) claria's (19.04) gator (18.23) vandevelde (16.84) personalization (13.04)