20060331

The Economistの記事も結構面白い。

  • 企業や大学で、ネットサービスの制限を行う傾向が見られる。社員がwebメールSkype、インスタント・メッセンジャーなどのサービスを利用できないように制限している会社が増加している。これらのサービスを通じてウィルスが社内ネットワークに流入してくることを恐れているためだ。またネットワークの帯域幅を浪費してしまうことへの警戒感もある。電子メールと異なり、これらのサービスはログに記録することでモニターすることができない。そのため社内の情報を持ち出したり、顧客への違法な勧誘などが行われるのではないかとの不安もある。特にこのような不安は金融業界では大きい。ただこれらのサービスは社員の生産性を向上させるというメリットもあるので、一概に禁止することも合理的とは言えず、デメリットと天秤にかけて是非を問われるようになると見られる。

  • 教育の現場では進化論の是非が大きな論争となったが、性教育はさらに大きな議論を引き起こしている。クリントン政権の頃に始まった性教育支援基金では、一定のカリキュラムを満たすことで政府補助を受けることができる。しかしこのカリキュラムは結婚までセックスをしないという禁欲を全面に打ち出した内容となっており、若年層のセックスは精神面や将来の所得などに悪影響を及ぼすといった点を指摘している。ただこのカリキュラムに対しては批判する向きも多い。禁欲を唱えることで、避妊や性病に対する正しい知識を提供しないことが大きな問題だと考える専門家や親たちも多い。そのため団体を作って学校当局にカリキュラムの修正を求める動きが目立っている。それ以外でも様々な面で性教育を規制しようとする動きが出ており、中には親の承認が無い限り子供に性教育を提供してはならないという規制を導入した州まで存在する。

  • Skypeが音声通話の価格破壊を引き起こしたのと同じことを、携帯メール(text message)でも実現しようとしている会社がある。英国のHotxtだ。この会社が配信するソフトをあたかも着メロをダウンロードするような感覚で携帯電話に取り込むと、一定料金でHotxtの他のユーザーとメッセージをいくらでも送ることができるようになる。英国の若者はプリペイド方式で携帯電話を利用してるために、携帯メールの料金も割高となっており、頻繁にメールをやりとりするユーザーには大きなコスト低下となる。携帯電話会社にとっては、携帯メールは利益率が非常に高く、収益に大きく貢献しているだけに大きな脅威となる。

  • カナダ人のとってのグーグルはドーナツ屋であった。米国のWendy's Internationalがカナダで有名なドーナツチェーンであるTim Hortonsをスピンオフしたところ、購入申し込みが殺到し上場初日には50%以上もの値上がりを示した。Tim Hortonsはカナダにとっては国家機関に準ずるような存在である。カナダ人は世界で最もドーナツを食べる人たちであり、選挙戦はドーナツ屋から始まるという伝統もある。カナダには2500以上の店舗を抱えているが、まだまだ西部地方を中心に出店余地があるとしている。ただ米国での出店を加速するには、ダスキンドーナツやクリスピードーナツなどの競合企業が存在するだけに難しい。
    カナダ人がそんなにドーナツ好きだとは知らなかったな。