20060313

  • eBayやBid4Assets.comといったオークションサイトで不動産を購入する投資家が増加している。しかし現地を視察することなく不動産の短期売買を繰り返すという行為には大きな問題が潜んでいる。掲載された写真とは似てもにつかない物件を購入してしまうこともあるのだ。不動産の売買においては様々な重要情報を開示する法令があるものの、ネット上の売買では適用されないことが多い。また買い手もネット上ではなぜか「買い手責任」という言葉を忘れて売り手の言い分を信用してしまうようだ。ネットで短期売買される物件はスラム化した地域にあることが多く、所有者が頻繁に変わることはスラムを復興する努力に水を差すものだと市当局は不満を見せている。中にはeBayに対して是正を求める動きもあるが、eBay側の協力は得られないようだ。
    不動産のオンライントレーディングか。
  • 中国版のローリング・ストーンズ(雑誌)が創刊された。米国のオリジナル版では政治的な色彩も濃いが、中国版では厳しい検閲があることも鑑み、政治的な色彩は薄らいでいる。表紙は中国を代表するロックミュージシャンの崔健(Cui Jian)である。崔健の音楽は天安門事件でキャンペーンソングのような感じで歌われたが、雑誌の中の記事では天安門に関する記述はない。中国版は国営企業が発行しており、読者と政府という二つの対立する立場に従わなければならないという難しい問題がある。中国では雑誌広告が増加しており、創刊される雑誌も多い。もうすぐVogueの中国版も発行される。

  • 今年から来年にかけて変動金利で住宅ローンを組んだ借り手達が大きな負担増に直面することになる。最近はやっていたローンでは最初の一定期間は金利しか支払う必要がないので、一層負担額の増加が激しくなってしまう。しかも住宅市場が冷え込み始めていることもあり、借り換えも難しいものと見られる。予想では月々の支払額が5割以上に上昇するケースも多いと考えられている。景気が好調であるために、雇用市場が順調であることが救いとなっている。抵当流れになる最大の原因が失業だからだ。しかし確実に可処分所得は減少することになり、すでにガソリン価格・固定資産税などのコスト上昇に苦しむ家計にはさらなる負担となり、消費に悪影響を及ぼす可能性も考えられる。

  • フィリピン第3位の携帯電話会社がPilipino Telephone Corp(Piltel)である。同社は最近は加入者の伸びが低迷しているものの、アナリストは同社の成長力を高く評価している。フィリピンではもうすぐ3Gの携帯電話サービスが始まるものの、同社は3Gのライセンスを取得していない。同社の主力市場は、過疎部で提供するプリペイドサービスだからだ。そのため基本的なサービスを提供することに注力している。フィリピンの携帯電話普及率は香港やシンガポールと比較するとまだまだ低い。ただフィリピン人のメール好きはかなりもので1日平均10通以上が送信されてることになる。同社のPERは数倍という低さで、同業他社のSmartやGlobeが10倍程度で取引されていることを鑑みると大幅に低い。同社はSmartと同じ親会社であり、親会社の意向で戦略が変えられてしまうことが懸念材料となっている。
    フィリピン人のメール好きというのが興味深い。一人当たりの平均で一日10通の送信というのがすごい。日本ではどれぐらいだろう。