20060131

以下の記事を読んだ。6時起床

  • 本日にもグリーンスパン氏はFRB議長を退任する。注目されるのが同氏の将来の活動だ。すでにGreenspan Associatesというコンサルティング会社を設立すると報じられている。同氏の名声を考えると多くの企業が取締役として迎えたいと考えるのも無理はないが、79歳という同氏の年齢を考えると多くの企業で設けている取締役の定年を超えてしまう。また取締役として扱いやすい人物ではないことも確かだ。そのため取締役ではなく企業へのアドバイザーとして活躍するのではないかとヘッドハンターは見ている。また本の執筆や、講演活動も行うものと考えられている。同氏の講演料は1回につき15万ドル程度と見られるが、同氏ほどの名声を有していればこの値段でも高くはないという。
    Washington Speakers Bureauという講演のエージェントが存在するようだ。
  • 企業業績は改善しているものの、賃金の上昇は依然抑制されている。世界的な競争の激化や原材料の上昇といった要因があるためだ。しかし企業としては有能な人材を逃すわけにはいかないのも実情である。そこで企業が行っているのが、昇給率に格差を設けることである。成績が高い従業員と平均的な従業員、成績が悪い従業員の間に大きな格差を設けるようになってきた。90年代には多くの社員が同じように賃金を引き上げられていたことを考えると様変わりである。しかし成績によって賃金上昇率に差をつけるのはチームプレーに悪影響をもたらす可能性もある。企業によってはそれほど賃金を引き上げてやることができない社員に対してどのように接するべきか、管理職に対して研修を行うところもある。
    勝ち組と負け組ということか。「勝ち組」と「負け組」という言葉で思い出したが、勝ち組・負け組という構図にとらわれている時点で既に負けているような気がしてしまう。
  • ダボス会議の最中に開催されるスキー大会の紹介。公式スキー大会に不満なドイツ人達が15年前に開始したこの大会はドイツの多くの経営者が参加する。タイムも計測し真剣に優勝を狙って戦うのだ。それぞれが着用するスキーウェアも話題になる。マッキンゼーの経営陣が優勝を続けていたものの、若いジャーナリストが優勝したことに対応して、ジャーナリストを別のレースとして扱うという対策まで施した。昨年の優勝者はゴールドマン・サックス投資銀行家、今年も同氏が優勝するかと思いきや最後にドイツテレコムが送り込んだ刺客に苦い思いをさせられることになった。ドイツテレコムスキーヤーはレース最後に不要なターンを行ったにもかかわらず、ゴールドマンのスキーヤーよりも早いタイムをたたき出したためだ。

  • もうすぐ開催されるFOMCグリーンスパン最後の会合となる。これをもってFRB議長はバーナンキ氏に交代することになる。しかし同氏は多くの問題に直面している。FOMCでの決定過程がより民主化されたために反対意見が出やすくなっているのだ。どのようにコンセンサスを導くのか同氏の手腕が試されることになる。そもそもFOMCは当初は地域連銀の頭取でほとんど構成されており、FRB議長の権限は弱かった。その後により効果的な金融政策実現のために大統領任命の理事が多くを構成するように改められたという歴史がある。意志決定は全会一致を基本としているものの、内部で衝突することは珍しくはなかった。最近では昨年11月のFOMCがそうである。会合の後に公式プレスリリースが発表されたり、議事録が公開されるようになったために、参加者はより積極的に自らの意見を述べるようになった。地域連銀は銀行統合により金融政策以外での仕事が減少しており、一層金融政策に注力しているという事情もある。バーナンキ氏は様々な意見が飛び交う大学という環境で長い間仕事をしてきただけに、より民主的になったFOMCでもよく対応できると評価する声もある。