最後の努力 ローマ人の物語 13

ローマ人の物語 (13) 最後の努力 (ローマ人の物語 13)

ローマ人の物語 (13) 最後の努力 (ローマ人の物語 13)

4頭政が崩壊し、コンスタンティヌス帝が単独で帝国を支配する時代がやってくるあたりを読む。ローマ人は兵站で勝つという格言があるが、この「兵站」というのは物資の補給などの狭い意味ではなく、戦闘行為以外のすべてを含むようだ。つまり外交なども含む。敵地に攻め入るコンスタンティヌスは落城した都市を寛大に扱うことで他の都市への波及効果を狙った。
しかしディオクレティアヌス帝は無念だっただろう。自分が実行した政策が、引退後ことごとく覆されてしまうわけだから。引退なんかしなきゃ良かったと思ったのではないか。
コンスタンティヌス帝がミラノ勅令でキリスト教を公認したことになっているが、勅令を読む限りではキリスト教を特別扱いしているわけではないようだ。信仰の自由を謳っているにすぎない。ローマではそもそも多神教であったがゆえにキリスト教にも寛容な精神があったようだ。それがキリスト教への弾圧が徹底しなかった理由のようである。
コンスタンティヌス帝は共同体を守るというよりも自らを守るという態度が強く出ており、中世の始まりであったと評している。市民が主権者であり、統治を委託されているというのがローマ皇帝の根拠であったが、ここへきて主権者が皇帝、市民は臣民となってしまった。信仰の自由を打ち出した割にはなかなか冷酷な人物であったようだ。自らの子供を生む年齢を過ぎてしまった妻も平気に処刑している。(自分の息子との不義が理由らしい)
「中年の女の恋は、若い女の場合のように夢からではなく、絶望から生まれるものなのである。露見しようものなら、死しか待っていないことは知っていながら。」(P245)

http://d.hatena.ne.jp/ichiyu/20060130/p4

なぜローマ人の物語を読み始めたのか思い出してみると、2000年春だったと思うが同じ部の上司より、この本を薦められたのがきっかけだった。

ローマ人への20の質問 (文春新書)

ローマ人への20の質問 (文春新書)

最初はあまり興味をそそられず、薦められたものの読むまでには至っていなかった。しかし本屋でたまたま見かけ購入したことから塩野七生にどっぷりはまることになる。ローマ人の物語は当時はまだ文庫本になっておらず、高いハードカバーを数日に1冊の勢いで購入して読んでいた。当時の書籍代はかなりの額になっていたはずだ。


ローマ人の物語の最新刊はビックカメラで売っていないかな?ポイントが5000程度あるので売っていれば助かる。コンピュータ書籍だけではなくビジネス書の品揃えも結構良い。


そういえば昨日のアマゾンの注文はまだ発送されていなかった。24時間以内に発行されますとあったので今日にも到着するかと期待していたのだが。