20060126

以下の記事を読んだ。6時20分起床。徐々に調子よくなってきた。

  • ディズニーがPixarを買収したことで、スティーブ・ジョブズはディズニーの取締役に就任することになる。また同氏はディズニー最大の株主となる。 Pixarを買収するという決断を下したディズニーのCEO、Iger氏は自らのキャリアを終わらせかねないギャンブルに打って出たことになる。過去の買収事例を見ると、買収された企業のCEOが本家を乗っ取ってしまうという例が多い。特にIger氏はまだディズニーでは大きな実績を上げていないだけに、スティーブ・ジョブズという稀代の起業家と比較すると分が悪い。
    アップルの経営もあるからディズニーの経営までは手を出さないと思うが。。
  • テキサス州のherefordという町は多くの牛がいる。自らを「Beef Capital of the World」と名乗っているほどだ。しかしその牛たちは毎日大量の糞をする。この糞の処分に牧場主達は長年頭を悩ませてきた。農家で肥料として使う分を大幅に上回る量が発生するのだ。昔は糞で発電することを試したり、石炭代わりに燃料として使えないか検討したりした。しかしどれもうまくいかなかった。しかしエネルギー価格の高騰が大きな希望をこの町に与えている。エタノール工場が建設されることになったのだ。通常エタノール工場は天然ガスを利用するが、この工場は初期コストは高いものの牛糞を燃料として用いる。エタノールの生産過程で生まれる副産物は牛のえさにも利用できるので一石二鳥である。現地の牧場主も高い金を払って糞を処分する必要が無くなったので大喜びである。

  • 米国における教科書問題。舞台はカリフォルニア州である。州で教科書の認定を行う機関には宗教団体が圧力をかけている。ユダヤ教ヒンズー教イスラム教などである。進化論を教えることを禁止することを求めるキリスト教保守派のように、これら宗教団体は歴史教科書の内容を自分たちの信じる宗教にとってイメージが良くなるように、教科書の中身に注文をつけているのだ。カリフォルニアの教科書市場は全米の1割程度と大きく、カリフォルニアで採択された教科書は他州での利用されることが多いため、カリフォルニアで認定されるかどうかは大きな問題である。教科書会社の中には事前に宗教団体に中身を見てもらうこともある。歴史を書き直すことを目指しているとこれら宗教団体を批判する声もある。
    かなり興味深い。教科書問題は日本だけではないのか。宗教が絡むだけに日本よりも対応が難しそうである。
  • GMは世界中に提携先を抱えている。Fiatや富士重工といったすでに関係を断ち切った会社もある。この2社ではGMは損失を計上している。しかしスズキはGMにとっては高い投資収益を生み出した。保有株式の価値は投下資本の倍以上となっている。しかしGMが北米市場で苦況に立たされる中、GMの大株主であるカーコリアンの右腕はGM企業価値向上に貢献しない会社は売却すべきだと経営陣に圧力をかけている。GMとスズキはあまり大きな業務提携効果を上げていないのだ。そのためアナリストの中にはスズキの売却は時間の問題と見る向きもある。買い手として有力なのがすでにスズキとは提携関係にある日産自動車だ。しかしスズキのPERはすでにトヨタ自動車を上回り高い水準にあるという問題がある。スズキが自社で株式を買い戻すのも、現在インドで生産能力の拡充を展開している中では難しい。そのためGMは市場で売却する可能性も大きい。その場合は一時的に株価は下落するものの、スズキの好業績はGMとの提携関係がなくても維持できると考えられるため、下落局面は絶好の買い場だと見る向きもある。

  • 特許侵害で訴えられた企業は、当該特許が新規性を持たないことを証明するために様々な資料を探す。もし特許が成立するまえにその特許と重複するようなことが書かれた資料が見つかったら、裁判で有利な証拠として利用することができる。このような資料を特許関連の弁護士の間ではprior artと呼び、もし特許を無効にするほどのものであればkiller artと呼ばれる。現在RIM社のブラックベリーが特許侵害を行っているとして訴えられているが、ノルウェイの図書館でまさにこのprior artを見つけることに成功した。特許庁でもこの資料を真剣に検討している。最近はネットの普及によりこのようなprior artを見つけるのも容易になっている。中には漫画雑誌がprior artとして利用される場合もある。