20051225

以下の記事を読んだ。

  • GEの高成長を演出してきたジャック・ウェルチの背後には、巨額の責任準備金の積み立て不足という問題があった。同社の半分近い利益を生み出すのがGE Capitalであるが、この子会社の実態は不透明であった。金融市場を揺り動かす様々な事件があっても同社の利益は成長を続けていた。その原因として保険部門における責任準備金の積み立て不足がある。積み立て不足は90年代後半の保険業界全般の問題でもあるが同社の不足幅は他社を圧倒するものであり、この積み立て不足を考慮に入れると90年代後半のGEの二桁成長という実績はほとんど消えてしまうのだ。この積み立て不足という問題は後任のイメルト氏が面倒を見る羽目になった。収益に与える変動が大きいためにGEは保険部門を売却することになり、売却の条件として積み立て不足を解消しなくてはならない。この問題はカリスマ経営者としての評判が高いウェルチ氏の評価を貶めるものとなる。すでに同氏は退職後もGEから極めて豪華な恩恵を受け続けていることが明らかになりイメージ悪化につながっている。
    久しぶりにBarron’sのカバーストーリーを読んだ。珍しく分量は少ない。
  • ゲーム業界がXbox 360効果で不振に陥っている。新しいコンソールが登場すると消費者は既存コンソールが陳腐化するリスクを気にするため、既存マシンのゲームソフトを購入しなくなるのだ。そのため大手ゲームソフトメーカーは業績下方修正を出している。Xbox 360が需要に応じるだけの供給がないために、Xbox 360のソフトの購入も伸びない。このようなプラットフォームの移行に伴う問題は、来年は一層悪化する。ソニーPS3任天堂がRevolutionを投入するためだ。また現在のゲーム業界の不振は、iPodなどの他のエンターテイメント機器に押されているという面もある。また人気シリーズの続編に頼ったソフト開発も消費者を飽きさせる結果につながっているとの声もある。

  • 観客数の減少に苦しむ映画館での取り組みの紹介。チケット価格が上昇していることや、DVDで販売されるまでの期間が短くなっていることなどの問題が観客数の減少につながっている。またマナーの悪い観客も映画館にとっては大きな問題だ。どのようなジャンルの映画でマナーが悪い観客が集まってくるのか分析して対策を打ち出すところもある。映画館の中には上映中に携帯電話で話すことができないように電波をブロックすることを検討しているところもある。マナーの悪い観客以外にも観客の不満を買っているのが、上映前に流れる広告である。年々広告の量が増加しており映画館にとっては魅力的な収入源だが観客にとっては不満も大きい。そのため広告の中身をより観客に興味を持ってもらえるようなものに作り替えたり、予定されている上映開始時刻を映画本編の上映にあわせた形に記載することで見たくない観客に選択肢を与えるという方法を導入するところもある。

  • 忙しい人のために、デパートやアパレルの専門店ではパーソナル・ショッパー(Personal Shopper)というスタッフがいる場合が多い。顧客の好みを聞いて似合った服を探すのが仕事だ。店で雇われているショッパーの場合は手数料はかからないものの、その店に売っているものに限定されてしまう。単に顧客の似合う服だけではなく、顧客が希望するクリスマスプレゼントを代わりに探すというサービスも行う。またレストランの予約や購入した服を輸送したり、試着のために服をホテルに運んだり様々なサービスを提供している。一種のコンシェルジェのような仕事になっている。最新のスタイルに詳しいために、顧客にとっても似合っているかどうか率直な意見を聞くことができるありがたい人でもある。
    日本でもありそうだ。