20051209

以下の記事を読んだ。今日の起床は5時50分。すこし遅くなった。

  • ハリケーン・ウィルマ(Wilma)がフロリダに到来した際に、災害対策にフロリダ州連邦政府のいずれかが主導権を取るべきか問題になった。これはこのハリケーンに関わることだけではなく、テロ攻撃や鳥インフルエンザなどを含めた大惨事に州政府・連邦政府がどのように対処すべきかという議論の一つである。連邦政府カトリーナの被害を受けたルイジアナ州の救援が混乱したことを理由に、大惨事への対応は州政府では困難との見方を強めている。しかし州政府の多くはカトリーナでの対応のまずさは例外的なものであり、州政府主導で対応することは充分可能であると主張している。州政府から見れば、連邦政府が州の仕事に介入してきているように映るのだ。
    縄張り争い。州は連邦が介入してくることに対して反射的な拒否反応があるのではないかと思った。この州と連邦の関係はなかなか理解できない。日本における地方自治体と国との関係とはかなり異なっているとは思うのだが。。そういえば合衆国ではなく合州国と書く人もいたな。
  • 米国には戦死者の未亡人で結成されたGold Star Wivesという団体がある。ルーズベルト大統領夫人の肝いりで第二次世界大戦の戦死者の未亡人により1945年に結成された。朝鮮戦争ベトナム戦争以降の長い間米国は平和を享受していたために、この団体の主な活動も未亡人のための年金給付の引き上げなどの活動にとどまっていた。しかしアフガニスタンイラクでの米軍の戦死者が増加するにつれて、この団体に参加する新しい未亡人が急増してきた。夫を戦争で亡くした妻は周りからは同情されるものの、同じ境遇の未亡人とは心通わせることができるようだ。ネットでチャットを通じて同じ未亡人達とコミュニケーションを取り、慰め合っているという。
    軍事大国米国ならではの光景。
  • massively multiplayer online games(MMOG)と呼ばれるオンラインゲームが急速に人気を集めつつある。このゲームを舞台にバーチャル経済圏が生まれつつある。先進国に住むゲーマーはすぐに高いレベルでプレイできるように、最初の画面を中国を始めとする発展途上国のゲーマーに代行させているのだ。中国には数十人単位でゲーマーを雇い、オンラインゲームを代行する会社が数多く設立されている。ゲームをプレイすることで得られたアイテムは先進国のゲーマーに販売される。一日中ゲームをしてお金をもらえるのだが、実際にはかなり厳しい仕事だ。一日10時間以上プレイし、ノルマまで上司からは設定されている。しかし肉体労働を嫌う若者にとっては魅力的な仕事だ。ゲーム会社は、このようなアイテムの転売行為はゲームの楽しみを損なうものだとして摘発に乗り出しているものの、ほとんど効果はないようだ。またゲーム会社が自ら転売のための市場を設立する場合もあり、独立系の企業が仲買ビジネスに乗り出すケースもある。
    先進国の忙しいゲーマーの代行を行っているという訳だ。
  • トイレの排出能力をテストする方法で業界内がちょっとした騒ぎになっているようだ。トイレの排出能力をテストするために、今までは小さなプラスティックボールを便器に入れて、どの程度流れるかを測定して性能をテストしていた。米国では環境保護を目的として、トイレでは一回の排出で流すことができる水量が制限されている。プラスティックボールを使った試験では試験結果は良くても実際の利用現場では充分に流すことができず、2回以上水を流すことにつながっていた。そのため便器を製造している会社のうち何社かは、従来の方法に変えて味噌を使うことを提唱している。しかし味噌は一回した使うことができず、しかも高いという問題があるために必ずしも業界全体が賛成している訳ではない。また味噌を生産しているメーカーからはイメージ悪化を恐れて、テストで味噌を利用していることを明らかにしないようにとの要請も受けている。
    日本でもtotoは味噌を使って検査しているらしい。
  • GMが収益性の高い子会社のGMACの株式51%を売却することになった。この売却の最初の入札は来週にも締め切られる。多くの企業やファンドが関心を見せていると伝えられているがなかなか入札者には複雑な問題があるようだ。規模が大きいだけに一社ですべて買収できるのはごく少数の企業に限られる。GE CapitalやHSBC、JP Morganなどが金融機関としては名前が挙がっている。しかしこれら金融機関がGMACの株式51%を買収したとすると、GMACを連結対象にしなくてはならないという問題が出てくる。そうなると貸し倒れ引当金の積み増しを行わなければならないのだ。そのため金融機関1社ではなく、プライベート・エクイティファンドと手を組んで落札するという方法も考えられる。この場合出資比率が下げるので連結対象からは外すことができるのだ。しかしファンド側にも出資に対する問題がある。ファンドは、買収した企業に債務を負担させることでファンド自体の出資を抑え、高い収益を得ている。しかし GMACは高い信用格付けを維持しなくてはならないので過剰な債務を負担させることは難しい。またGMは依然大株主であることから出口戦略をどのようにするのかという問題もある。このような問題あるものの、売却価格は簿価の1倍程度で、金融機関の株式のPERが1.8倍程度であることを考えるとかなり割安と考えられる。
    単純にIPOすればいいのではないかと思うのだが、信用補完も目的にしているためIPOは難しいのかもしれない。
  • 20年以上前にある医者が開発した給餌方法が現代になって大きな問題を引き起こしている。これはpercutaneous endoscopic gastrostomy(PEG)と呼ばれるもので、自力で食事することができない患者に、胃まで届くチューブを使って食物を送り込む方法である。簡単な手術で実行できるため広く普及している。当初は一時的に自力で食事ができない若い患者を想定して開発されたものの、多くの痴呆症患者にも利用されている。しかし延命する効果はなく、病気の感染を引き起こすリスクもあることからPEGをやたらと利用する風潮には疑問視する専門家もいる。老人ホームでは職員が手で老人に給仕するよりもPEGを使った方が効率的であり、しかも保険会社からの給付金も多いという現実もPEGの利用を促している。またPEGを利用しないことが安楽死に等しいという一部活動家の主張もPEG利用拡大につながっている。医師も面倒なトラブルに巻き込まれたくないためだ。まさにPEGを利用するかどうかで全米を巻き込んだ議論となったのがフロリダに住む脳死患者のTerri Schiavoの事件である。家族の一部が彼女のPEGを取り外すように求めたのに対して他の家族は反対し裁判沙汰になった。結局この事件ではPEGを取り外すことは裁判所により認められなかった。この事件を受けて各州でPEGを外すことを難しくする法律が整備されようとしている。背後にはキリスト教保守派の活動がある。生命を第一に考える彼らには中絶反対もPEG除去による安楽死も同じ問題なのだ。
    映画ミリオンダラーベイビーでは、マギーが後半植物人間になってしまうが、確か口にチューブを入れられていたような気がする。あれがPEGなのかも。
  • SNSの草分け的なサイトであるFriendsterでは、最近"Who's Viewed Me." という機能を導入した。これによりどのユーザーが自分のプロフィールを見たかわかるようになったのだ。このような足跡機能は出会い系サイトなどでは以前よりあったものの、SNSに持ち込んだのは同社が初めてになる。同社はSNSの先駆者的な企業だが、最近はMySpaceなどの新規参入企業のほうが急速に加入者を集めている。また特定の嗜好を持つSNSの人気も高い。中にはハムスターの飼い主だけのSNSまで存在する。このような競争激化の中で Friendsterは差別化の一環として足跡機能を加えたのだ。しかしユーザーからの反応はまちまちである。同社ではユーザーからの文句に答えて匿名でアクセスできる機能も設けた。プライバシーと考えられていたアクセス履歴が公衆の面前にさらされるという事態にユーザーもとまどいを隠せないようだ。
    mixiでも導入されている。
  • 衛星ラジオ放送は急速に人気を集めつつある。この業界にはXM Satellite Radio とSirius Satellite Radioの2社が参入している。人気DJのハワード・スターンが衛星ラジオに活躍の場を移したことなどが人気の背景にある。この2社は新しいラジオ受信機を発売する。iPodに似た製品で、受信したラジオを持ち運べるものだ。デジタル放送なので音質が高く、アーティスト名や局名も端末上で確認できる。プレイリストを作成したり編集もできるという代物だ。ただしPCなどの他の機械に録音したデータを転送することはできない。このような機器がレコード業界の危機感を高めている。そのため来年から始める印税の契約の更新においては衝突が避けられない。現在は低い印税しかこの2社は払ってはいないものの、受信者数も増加していることから印税の引き上げをレコード業界側は狙っている。地上波ラジオもデジタル化の方向に向かっていることからレコード会社はまた新たなる敵にも直面することになる。衛星ラジオはニッチなチャンネルを数多く提供しており、通常のラジオでは聞くことができないアーティストの曲を数多く放送している。そのため衛星ラジオ側は、知名度が低いアーティストのプロモーションに役立っていると主張している。
    なぜか米国では人気を集める衛星ラジオ。地上波放送局もかなり多いと思うのだが、統合されてどこの局も同じような曲しか放送しなくなっているのかもしれない。