- 作者: ロジャーローウェンスタイン,Roger Lowenstein,鬼沢忍
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
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ドットコムバブルにおける、投資銀行と証券アナリストの利益相反関係についても当然のことながら詳しく記述されている。このような利益相反関係は自明のものであり、だれも問題視しなかった(当時、アメリカ株の運用を行っていた私もあまり気にしていなかった)のだが、これが21世紀に入って大問題になるとは不思議な感じがする。問題ならばなぜ今まで放置されていたのだろうか。株が上がっている限りはおとがめなしということか?
中心街という言葉が興味深い。たぶんmain streetを和訳したんだろうと思うが、これはwall streetと対比させてよく用いられる言葉。この言葉の用法からみても、米国社会のなかではウォール街というところはかなり特殊な場所として見られているようだ。
ドットコムバブル時における株価の急騰は、ロバート・シラー教授の「根拠なき熱狂」の中では、効率的市場仮説が大衆の中に浸透したことと関係があると指摘されている。市場は効率的だから、株価は割高でも割安でもなく適正な価格になっていると投資家は考えていたわけだ。このような考えがある限り、高値掴みをする心配をせずにいくらでも投資することができ、株価をいくらでも高い水準に押し上げることが可能になったのだ。
- 作者: ロバート・J.シラー,Robert J. Shiller,植草一秀,沢崎冬日
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/01/01
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