20050825

以下の記事を読んだ。
・Weil氏からPrince氏にCEOが交代してしばらくたったCitigroup。同社では最近経営幹部の退職が相次いでいる。この動きは、Weil氏とともに行動してきた経営幹部とPrince氏との間の経営方針の対立を示している。現在の同社は、多くのスキャンダルにまみれた反省からコンプライアンスや倫理を非常に重視している。それが今までCitigroupの高成長を支えてきた幹部たちの不満を買っているのだ。現在会長であるWeil氏も不満を抱えているようで、会長職を返上してプライベート・エクイティファンドを立ち上げたいとの意向を漏らしていた。


・製薬会社が多数の新薬を市場に投入している中、薬品を購入する側、つまり保険会社や公的健康保険プログラムにおいて、新薬の有効性を調べるスタッフが充実してきた。この代表例が、カリフォルニアに拠点を置く保険会社のKaiserのKubota女史だ。同氏は学会の学術誌などを丹念に分析して、一見中立を装っている論文の中に、製薬会社のマーケティングが含まれていないか分析している。臨床実験の方法や集計手段などを分析して、新薬がどの程度の効果があるのか見極めようとしているのだ。同氏にはある薬品を保険会社で推奨するかどうかという点では権限はないものの、同氏が作成したレポートが委員会に提出され、このレポートを元に委員会が決定するため、間接的に大きな影響力を有する。そのため同氏のもとには多くの製薬会社がプレゼンしにくるのだが、介入を防ぐために、贈り物や接待は禁止され、同氏の名刺には直通番号も記載されていない。このような保険会社の動きは製薬会社からみれば、保険会社がコスト削減を進める新たな手段に映り、批判の声もある。


・米国における住宅バブルは大いに懸念されているものの、外国人投資家にとってはあまり気にならないようだ。魅力的な利回りに引き寄せられて、アジアや欧州からの投資資金が米国モーゲージ市場に流入している。その結果、FRBが金融引き締めを行っているにもかかわらず、住宅市場への資金流入が減速しない事態になっている。住宅購入者にとっては、魅力的な金利で借り入れを行うことができるし、信用状況が悪い人でも資金を借り入れることができるようになっている。銀行のなかでは、貸し出し基準がゆるくなっているとの指摘もある。最近、モーゲージ市場にやってきたのは、中国からの投資資金である。今までは国債に絞っていたものの、利回りが高いことを受けて積極的にモーゲージを購入するようになっている。


・今まではシリコンバレーで悪の帝国と考えられていたのが、マイクロソフトであった。しかしこの地位をグーグルも占めつつあるようになってきた。今まではグーグルをマイクロソフトに対抗する企業だと考えていたシリコンバレーの人たちも同社を傲慢だと見るようになっている。様々な分野に進出するグーグルは競合会社から見ればマイクロソフトと同様に独占欲が強い会社に見える。また積極的に高額でエンジニアを雇用しているため、シリコンバレーにおける人件費が上昇しているというのも他社には困った事態となっている。ベンチャー企業は、ベンチャーキャピタルから資金を導入する際に、常にグーグルを意識しなくてはならない状況になった。グーグルが進出してくるとわかっている分野にはベンチャーキャピタルも出資は行わないからだ。