- 作者: 岩井克人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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ポスト産業資本主義の時代においては、人間や組織が生み出す差異が利益の源泉となるので、お金の支配力が弱くなる、つまり株主の力が弱くなると主張している。産業資本主義の時代では、工場を持っていれば、実質賃金率と労働生産性の差異から利益を生み出すことができたので、工場を所有することができればそのまま利益につながったという。しかしポスト産業資本主義の時代ではそうはならない。だれでも簡単に物的資産を購入することが可能だからだ。人間が抱えるノウハウや知識、才能といったものはお金で支配することはできない(奴隷制は存在しないので)ので、間接的に高い報酬や、良い労働環境などを用意して抱え込むよりほかないのだ。