20050712

以下の記事を読んだ。
・トレードマークなどの知的所有権の侵害は、今までなら発展途上国が先進国の企業のものを盗用するというのが一般的であった。しかし、最近は、逆の構図も生まれている。すなわち、先進国の企業が発展途上国の企業のトレードマークを盗用するようになっているのだ。発展途上国からの移民が多く米国に来ていることを鑑みて、母国で知名度の高いブランドを利用するようになっている。トレードマークは米国で登録しないといくら母国で有名でも法的効力は米国では存在しない。米国でトレードマークの登録を忘れている企業が狙われている。このような行為は合法的ではあるものの、倫理に反しているともいえそうだ。


・大学受験の際に必要なエッセイで熱い戦いが繰り広げられている。多くの高校生が名門大学に合格するために、エッセイのトレーニングを受けているのだ。多くの企業がエッセイの書き方の講座を実地またはオンライン、電話で提供している。今後高校生が急増するにつれて、名門大学への入学が一層厳しくなると見られているために、高校生は自らの差別化のためにエッセイに注目しているのだ。大学側はエッセイがどの程度、合否に関係するのかは疑問を示している。またこのような講座は金持ちの学生に一層恩恵を与えることにつながることを懸念する向きもある。一部の大学をのぞいて、エッセイのテーマは受験生が自ら選ぶことができる。そのため複数の大学を受験する際には同じエッセイを利用することができるのだ。大学は今のところエッセイが本人によって書かれているかどうかはチェックしていない。しかし今後はSATの試験結果と照らし合わせて調査することを検討している大学もある。


ビデオゲームメーカーによるプロリーグライセンス争奪戦が激しさを見せている。スポーツ関連のゲームは人気が高く、メーカーはライセンスを求めてNFLなどのプロリーグと交渉を行っている。プロリーグも試合の視聴者が横ばいの中、ビデオゲームを通じて潜在的な顧客層を開拓しようというねらいがある。またライセンス料がリーグの収益に占める比率も高まっており、アパレルに次ぐ分野にまで育っている。ライセンス争奪戦で激しく争っているのが、EAとTake-Twoである。この2社は対照的な企業文化を持っている。EAは市場調査を行い、MBAスタッフがマーケティング戦略を考えるという一般的な消費財メーカーのような経営スタイルだが、Take-Twoは物議を醸し出すようなきわどい内容のゲームをリリースし、スタッフが自ら遊びたいゲームを作成するというスタンスである。EAはNFLの独占利用権を10年にわたって確保した。しかしこの代償は大きく、4億ドル以上の支払いに応じることになった。そのため同社のソフトウェアの収益率は圧迫される可能性も高い。ただNFLのゲームは年金に似た性格を有している。毎年選手を最新版にしたバージョンを発売し、熱心なファンは毎年購入してくれるためだ。


・サンフランシスコとサンホセの間に位置する町がAthertonである。この町は高級住宅地と知られ、昔より金融関係者やハイテク企業の経営者が邸宅を構えていた。ここに大挙して参入してきたのがGoogleの社員たちである。ストックオプションで大金持ちになった社員たちが通勤に便利なこの町の不動産を買いあさっているのだ。そのため価格も急騰している。地元の不動産業界もGoogle効果で活況を呈している。不動産ブローカーの中には客を捕まえるために、GoogleのAdWord広告に出稿するものもいる。


・人口の1割がイスラム教徒となったフランス。将来は2割以上になる可能性も大きい。イスラム教徒の人口増加率が高いためだ。イスラム教徒はフランス社会にとけ込むよりも独自のイスラム社会を築き上げ、その中に閉じこもりつつある。北アフリカから移民としてフランスにやってきたイスラム教徒は、世代が進むにつれてフランス社会にとけ込むものと見られていただけに隔離に進む現状は大きな驚きとなっている。教育現場や病院などではイスラム教徒の圧力により、男女が分けられたりするなど、影響を受けている。



WSJではIslam And Europeという連載を始めている。最初がフランス、次はドイツだ。分量が異常に多いので読むのが大変だ。