20050310

TH55で以下の記事を読んだ。最近のスケジュールは朝の通勤列車で、TH55WSJを読み、駅からオフィスまで歩く間はiPod Shuffleを聞き、帰りはiPod Shuffleのみを利用といった感じ。
・過去1年間で株価が3割以上下落したNokia。同社は次世代携帯電話(3G)端末で、韓国のLGやモトローラに出遅れていることが懸念されているのだ。ただアナリストの中には同社を高く評価する者もいる。Nokiaには魅力的な知的所有権があるためだ。同社に加えて、エリクソンクアルコムはWCDMA の技術開発に大きく貢献しており、多くの特許を抱えているのだ。そのためNokiaは次世代携帯電話端末を生産する際に、他企業と比較して支払う特許使用料が大幅に低い。この利点を生かして低価格で販売することも可能な立場にある。韓国のLGやサムスンにはクロスライセンスできるような特許はないために、高額な特許使用料を払わざるを得ないのだ。




シーア派は先日行なわれたイラクの国民議会選挙で多くの議席を確保した。シーア派が目指しているイラク憲法には、イスラム教徒の教えであるシャリフが含まれる。現在のイラク憲法では、一夫一妻制だが、シャリフでは一夫多妻制となっており、これを憲法に含めるように進めている。これ以外にも女性の権利を抑制するような条項が多数含まれることになりそうだ。米国はこのような動きを懸念しているが、イラクが独立した以上、介入はできない。このようにシャリフを憲法に反映させる動きは女性議員が中心となっており、女性自らが女性の権利を抑制する方向に進むという皮肉な状況となっている。クルド人勢力は、自らの自治が確保されるのであれば、このような動きには特に反対しない構えのようだ。



・中国株に投資する方法を紹介。最も安全なのが投資信託ETFを通じた投資である。次にくるのが、米国に上場している中国企業ADRだ。米国に上場する以上、米国の規制に対応しているのが魅力である。ただし、国営企業が多く新興成長企業はあまり存在しないのが難点。次に香港に上場しているH株やレッドチップなどがくる。香港市場での規制に準じている。最後に来るのが中国国内に上場しているB株やA株などになる。会計制度の不備や情報開示の問題などでリスクが大きい。



ボーイングのCEOが辞任に追い込まれたのは、女性幹部との間で交わされていたメールだった。このメールが何者かにより途中で盗み見され、不倫が発覚したのだ。この件で分かるように現在の企業の多くはメールをチェックしている。ほとんどの州では、従業員にメールがチェックされていることを知らせる義務を企業には課していない。メールの中にあらかじめ指定された単語が含まれているかどうかをチェックするソフトウェアも存在しており、このようなソフトウェアの市場は急拡大を遂げている。現在では単に単語のチェックだけではなく、文脈なども考慮するように進化している。企業の中では、機械的なチェックだけではなく専任のスタッフによる人手での監視を行なっているところも多くなっている。



・韓国の銀行株は今年になって、市場全体を上回る上昇率を示しているが、アナリストはまだまだ上値余地が大きいと見ているようだ。韓国は数年前よりクレジットカードブームの反動で民間消費が落ち込んでいた。しかしようやく最近になって回復傾向が見え始めている。そのため企業の資金借り入れ需要が増加し、貸付先の信用状況も改善するとの期待が高まっているのだ。特にアナリストが強気なのが、大手3行であるKoomin、Shinhan、Wooriの3社である。



・中西部で、エタノール工場の投資ブームが過熱している。エタノールは環境にやさしいという側面があり、政府も様々な政策により利用を促進しているのだ。投資ブームの資金を拠出しているのが、中西部の田舎に住む農民など一般庶民である。銀行も積極的にこのブームに乗っており、農民達に投資する際のローンまで供与している。エタノールはとうもろこしから生産されるために、中西部で生産されるとうもろこしの需要先としての期待も高い。人口減少に悩む過疎部ではなおさら町の活性化を促してくれるエタノール工場への期待は大きい。ただあまりにも多くのエタノール工場が新設されていることを考えると、供給過剰になるとの懸念もある。エタノール相場は原油相場に連動しているため、現在は高値で推移している。しかし原油相場の変動は大きく、下落した場合にはエタノール相場も一緒に下落する可能性が大きい。ただ工場経営者はこのような懸念をよそに拡張を進めているのだ。

一番最後のエタノール工場の建設ブームが面白い。証券会社などはこのブームには関与していないようだ。販売されている株式もSECに届出をしていないと思われる。