「ゆとり教育」を批判するゆとりがなくなった社会。

三菱証券の北野氏のレポートより。

授業時間が削減された悪影響は、学力テストの結果にすぐに表れる。しかし、「総合学習」の成果を測る尺度は、どこにあるのだろう。成果を測りがたいことと、成果がないことは別である。結論を出すには、3年は短すぎるのではないか。そもそも、基礎学力の低下が、そんなに深刻な問題なら、戦争中、まともに教育を受けることが出来なかった筈の1930年世代は、いったいどうなるのだ。私の不勉強のせいかもしれないが、壮大な社会実験となった戦争中の教育の荒廃とその後の国際競争力との関係についての総括を聞いたことがない。自分たちの受けてきた教育を棚に上げ、「ゆとり教育」の見直しを迫る社会にこそ、ゆとりがなくなっているように思えてならない。

納得。全然投資関連の話ではないのだが、このような社会評論が多いのが同氏のレポートの魅力と言える。ブログをやって欲しい人物の一人。バートン・ビッグスがモルガンスタンレーに在籍時に執筆していたレポートと同じような雰囲気を感じる。