20050226

TH55で以下の記事を読んだ。
投資信託が、証券会社に支払う売買手数料が数年前と比較して2割以上低下していることが明らかになった。売買手数料は投資信託の受益者にとっては大きなコストであるものの、外部からは見えにくい。投資信託のエクスペンスレシオにも現れないためだ。しかし当局が売買手数料の一層の開示に向けて動いていることも、料率の低下を促している。また今まではソフトダラーのために、売買手数料が水増しされていた。しかし証券会社のアナリストレポートに対する不満も大きいために、純粋に売買の執行に対するコストのみを負担するように動いているという事情も背景にある。また運用会社の中には、利用する証券会社を絞り込むことでコスト削減を進める向きもある。ただ、売買手数料の引き下げが最終的に投資信託の受益者にプラスになるのかどうかに関しては議論もある。低い手数料率しか払わない投資信託に対しては、証券会社も売買の際に資本を提供しない(自己勘定で相手方にならない)ことも考えられる。




アカデミー賞の発表が日曜日に行なわれる。最優秀映画賞はどれが受賞するのかはオフィスなどでも大きな話題になっている。これをネタに日曜日にはパーティーをする会社もあるのだ。WSJでは過去20年間の最優秀映画ノミネート作品100本を対象に、受賞作品を分析する数学モデルを統計学者に作成してもらった。分析の結果、最優秀映画は3つの要因で判断することができるという。まず、その映画がノミネートされている部門賞の数。次にゴールデングローブにおける受賞数。最後はコメディー映画ではないという点である。コメディー映画は最優秀映画の受賞が難しいのだ。アカデミー会員が受賞作品を投票で決めるために会員の好みはある程度安定していると考えられる。またアカデミー会員は専門性により、例えば俳優出身者は俳優関係の部門賞にしか投票できない。しかし最優秀映画賞は会員すべてが投票できるのだ。この点を考えるとノミネート数が多い映画が有利というのはうなずける。今回分析した結果では、The Aviatorが圧倒的に有利な立場にあることが分かった。



・OdeoというPodcastingに特化した企業が創業した。創業者はBloggerを立ち上げ、Googleに売却したWilliams氏たちである。iPodのようなMP3プレーヤーの急増により、ブログのように急速に成長するとの確信を持ったために、Podcasting専門の会社を立ち上げたのだ。既にいくつかの企業ではPodcasting関連の事業を行なっているところもある(例えば、Audibleなど)。しかもビジネスモデルとして機能するのかどうか疑問点も多い。同社は広告やソフトウェアなどで収益を上げる予定にしている。PodcastingiPod人気で過剰に話題になっているだけとの冷めた見方もある。



ベンチャーキャピタル業界における地殻変動が起こっている。最近、ハーバード大学ベンチャーキャピタルに投資する際に選んだのは、あまり知名度が高くないIgnition Partnersであった。このファンドはマイクロソフトやマッコー・セルラーなどの出身者で構成されており、ワシントンに拠点を有している。このファンド以外にもシリコンバレー以外で活動するベンチャーキャピタルが増加している。これら新規ファンドが調達する投資金額は全体から見れば少ない。しかしハーバードやプリンストンなどの先駆者が投資したとなると、他の投資家も追随してくる可能性は大きい。シリコンバレー以外に拠点を有することにより、今まで注目されていなかった企業に対する投資が増加する可能性もある。

今週のBusiness Weekのカバーストーリーはあまり関心がもてなかったのでパス。