20050222

TH55で以下の記事を読んだ。
・全米最大の会員制ホールセール企業であるCostcoは自社で販売している商品は安いが株価は高いという問題を抱えている。P/EはWal-Martと同水準であり、小売企業の平均を大きく上回るレベルにある。株価が高いのには充分理由がある。同社が今まで一貫して好調な業績をあげてきたためだ。ただ同社の業績に対する評価は高いものの、アナリストの中には評価水準の高さに懸念を感じる向きも多いようだ。同社の営業効率はかなり高い。店舗あたりの売上金額はWal-Martのホールセール部門であるSam's Clubの倍以上である。高級品なども積極的に販売し、富裕層の取り込みに成功しているのだ。売上効率に加えて、今までは優遇されていた福利厚生もカットしており、コスト削減も積極的に進めている。しかし同社の先行きは厳しさを増すとの指摘もある。Sam's ClubやBJなどが同社を積極的に追い上げる動きを見せているためだ。またスーパーマーケットやディスカウントストアでもホールセールストアに匹敵する価格競争力を持ちつつあることも懸念される。




・オンラインポーカー市場が急速な成長を見せている。プレーヤーの多くは米国人である。テレビでポーカーのトーナメントなどが放映され、人気が高まっているのだ。既にオンラインポーカーでの売上は、ラスベガスのカジノの売上の7割にまで成長しているという。しかし法的にはこのようなオンラインポーカーはグレーゾーンにある。米国ではオンラインポーカーは禁止されているのだ。しかし現在のところ、海外にあるオンラインポーカーのサイトやプレーヤーが摘発されたという事例はないようだ。しかし司法省の指導により、オンラインポーカーのメディアでの広告は行なえない状況にある。またクレジットカードも利用できない。しかしこのような悪条件にも関わらずユーザー数が増加していることは需要の大きさを物語っている。



・世界最大の製薬会社であるファイザーが苦しんでいる。同社が今まで進めてきた大型薬品(ブロックバスター)中心の戦略が壁にぶち当たっているのだ。同社は4万人近い営業部隊を抱えており、患者数が多い薬品を大量に売り込んでいる。テレビでの宣伝も積極的に行なっており、米国における広告支出は第4位に相当する。実に、広告宣伝のほうが研究開発よりも多いのだ。しかし今まで同社の稼ぎ頭であった薬品の特許が切れつつあり、その一方で自社の研究開発部門 (15,000人を抱える)からは魅力的な新薬が出てこないという状況に陥っているのだ。



・先週末、日本の製薬業界で再びM&Aのニュースが流れた。三共と第一が合併に向けて話し合っているという。両社ともコメントはしていない。しかし株価は2社とも上昇している。日本の製薬業界は小規模な企業で占められており、再編が不可避と見られていた。人口高齢化に向けて医療費が増加するために、政府も薬品業界を開放しようと進めていることに加えて、外資系からの買収攻勢が一層進むとの予想があるためだ。既に最近では山之内と藤沢が統合に動いている。また外資系も買収や営業基盤の拡充に動いている。しかし今回の三共と第一の合併でも、まだまだ外資の巨大製薬会社と比較すると小さい。新会社の売上は、ファイザーの主力製品一つにさえ届かないのだ。両社は重複する分野が少ないことがメリットに見えるものの、逆にコスト削減の余地が少ないとの見方もできる。

オンラインポーカーサイトの記事が面白い。素人が多く参加するようになったためにスキルが高いプレーヤーは高い収益を上げることができるという。ブラックジャックと異なり、ポーカーは運よりもスキルが重視されるゲームだそうだ。両方ともよく分からないが。