20040331

  • タイプ1と呼ばれる糖尿病患者の治療に大きな効果があると期待されている幹細胞(stem-cell)の研究はブッシュ政権による公的資金の提供禁止政策により滞っている。そのため患者の集団は大胆な行動に出ている。カリフォルニア州住民投票を企画し、州財政から研究資金を拠出させようとする政策にゴーサインを獲得しようとしている。多額の運営資金と有名人のバックアップもあり、住民投票を行うための署名活動を行っている。しかしこの運動には一種の賭けでもある。もし住民投票で負けた場合は、ブッシュ政権の政策変更を促すチャンスもすくなくなるためだ。幹細胞の研究が問題になるのは、人間の胚芽から採取されるためである。そのため胎児以前の命が失われるとの批判がある。クリントン政権でも公的資金がこの研究に使われるのは禁止されていたが、抜け穴があった。しかしブッシュ政権になってこの抜け穴もなくなっている。

  • ブッシュ政権財務省の人材を用いて、ライバル候補のケリーが提案する税制改革の効果を検証させていたことが明らかにあり、民主党の非難を浴びている。このように公務員を利用して政治的活動を行わせるのは違法であるためだ。特に今年は大統領選挙があるためにこのような行為は注目を浴びやすい。過去にも同じような行為は民主・共和両方とも行っている。ケリー候補は高額所得者に対して、ブッシュ減税の恩恵を引き下げる政策を打ち出している。財務省はこの政策がどの程度の増税につながるのか検証し、ウェブサイトに掲載している。共和党関係者も早速この数値を利用して民主党を批判している。