20040224

  • DeBeers(デビアス)は半世紀もの間、米国市場から締め出されていた。米国の司法省から反トラスト法により起訴されていたからだ。しかし同社は米国外に拠点があるために米国政府も手出しできない状況が続いていた。同社の関係者は拘束されてしまうために米国内に入国することもできない状況にある。しかし同社は米国の小売市場への進出を狙って、司法省との和解に乗り出す可能性が出てきた。同社はダイアモンドの生産拠点を支配することによりダイアモンドの価格をコントロールしていた。しかし最近はロシアなどの同社が支配できない地域からの生産量も増加し、無理に価格をコントロールしようとすると抱え込む在庫のコストがかさむことになっていた。司法省との和解が成立したとしても、米国におけるダイアモンド購入者からの集団訴訟もありどの程度の損害賠償の負担があるのかは不透明な状況である。

  • 欧米の製薬会社は10年以上前から、研究者の能力ではなく、コンピュータ制御のロボットによる新薬開発を進めていた。そのため多額の資金を投入して最新鋭の機器や、そのような技術を有するベンチャー企業の買収に動いていた。しかし最近になって、コンピュータによる新薬開発の戦略は間違っていたのではないかとの反省の機運が出ている。FDAによる新薬認可の件数も低下傾向にあり、新薬の開発には結びついていないと見られるためだ。もちろんこのような否定的な見方には反対意見もある。この立場からは、現在の新薬不足の背景として、アルツハイマー・AIDSなどの病気にはマウスなどの動物実験では対処できないという点、FDAの新薬認可基準が厳しくなっていることなどをあげている。