20050614

以下の記事を読んだ。
ニジェールにおける結婚・出産事情とそれに伴う問題。ニジェールでは10代早々に結婚し、出産してしまう。思春期を迎えてすぐに結婚したほうが、不名誉な未婚の母にならずに済むためだ。しかし早すぎる出産には大きなリスクを伴う。出産できるほど成熟していないために、長時間陣痛に苦しむことになり、その結果、膀胱の病気(fistula)になってしまうのだ。常に失禁状態になってしまうため家族からは遠ざけられてしまう。この病気で苦しむ女性はニジェール近辺には極めて多い。衛生状態が悪く満足な治療も受けることができない。11歳で結婚し出産し、この病気になってしまった女の子は、治療のために受けた手術をきっかけに人生を大きく変えることになった。出産のために学校を辞めてしまったのだが、再び学校に行くことになった。彼女の生き方は、地域社会でも大きく取り上げられ、新しい女性の生き方としてのモデルになっている。


・先日、フランスとオランダでEU憲法に対して反対という意思表示を示した。イタリアやドイツではユーロ脱退の支持も高まっている。ユーロの中で苦しんでいるのがイタリアである。ユーロ高により自国経済の競争力が急速に悪化しているためだ。ただイタリアの問題はユーロではない。経済構造の変革が遅れてしまったことにある。ユーロ加盟までは加盟できるように必至になって財政体質の改善に取り組んだのだが、構造改革までには進まなかったのだ。その結果、非効率的な産業構造がそのまま残されることになってしまった。リラを利用していた頃には、通貨切り下げで競争力を高めることが可能だったが、現在ではその手も利用できない。そのためリラを再び取り戻す動きが活発になっている。しかしユーロ離脱は現実的な政策ではない。財政が悪化しているイタリアでは、ユーロのおかげで低金利を実現できているためだ。もし離脱するとなると金利が急上昇する可能性が大きい。


・今月投票される、イランの大統領選挙の選挙活動の紹介。イランは世界の中でも最も若い国の一つであり、人口の3分の2が30歳以下となっている。加えて投票権は16歳以上に与えられるために選挙民のほとんどが若い世代になる。そのためどの候補者も若い世代の取り込みに懸命になっている。有力候補者であるラフサンジャニ氏はワールドカップ予選突破と同じタイミングで路上でディスコ音楽を流して選挙運動を行なっている。ハタミ師の失脚を見ても、宗教指導者の支持を得ることができなければ、選挙で勝利しても満足に政権運営を行なうことはできない。しかし投票率が低いと政権の正統性が疑問視され、核実験疑惑における国際社会の対応にも影響が出てくるため、宗教指導者も何とか投票率を引き上げようと努力している。


モルガン・スタンレーのCEOであるPurcell氏が退任することになった。同氏はDean Witterを率いて、Morgan Stanleyとの合併に動いた立役者である。これでまた一つ、金融スーパーマーケットの試みは頓挫したことになる。過去数十年、金融業界を動かしてきたのが金融スーパーマーケットというコンセプトであり、これにしたがって多くのM&Aが行なわれた。しかし最近では予想したほどの効果が現れずに、逆戻りする動きも出ている。シティーグループアメリカン・エクスプレスがこの例に該当する。モルガン・スタンレーは既にカード部門を分離して株主に割り当てるとしているが、会社全体の売却もありえると噂されている。ただ丸ごと買収される場合には規模が大きいだけに、買い手も限定され、プレミアムもつかないとの見方もある。そのため事業をばらばらに売却するとの声もある。ただ後任のCEOが選出するまでは大きな動きはないと見られている。



今日読んだ、Page Oneの二つの記事(ニジェールの若年出産の問題と、ユーロ高で苦しむイタリア)は面白い。ニジェールの記事を読んで、再びフォスター・プランを始めようか考えている。

Marketocracy

最新号のBusiness Weekの特集は、ネットで可能になる大規模なコラボレーションというのがテーマだったが、その中で取り上げられていた。この会社は仮想の株式市場を運営している。希望者は無料でこの株式市場の中で資産運用を行うことが可能で、参加者同士が運用成績を競い合うことになる。この会社はこの運用競争の上位100人のポートフォリオを元にm100という指数を算出しており、この指数に連動した投資信託を運用している。ポートフォリオが評価対象になるためには、分散投資など様々な規制をクリアする必要があるみたいだ。
すごいアイデアだとびっくりした。アマチュアの運用手法をそのままいただこうというのだから。2001年から指数の算出が行われているのだが現在のところS&P500を大きく上回る運用成果を挙げている。しかもベータが低く、取っているリスクが少ないことも示している。
日本でもこのようなファンドが登場するか。当局の認可は問題なさそうな気はするが、かなりのハードウェア投資が必要になる。それなりの参加者を集めるのも大変かもしれない。なんらかのインセンティブを与えないといけないかも。
Wisdom of Crowdsというのがこのような動きの背景にあるコンセプト。同名の著書も出ている。Wisdom of Crowdsは集団心理や群集心理が働く環境では機能しないと考えられるので、株式市場でどの程度効果があるのか疑問もないわけでもない。市場では群集心理が作用する度合いが高いような気がする。というのも市場では欲望や恐怖が感染する速度が非常に早いのではないかと感じているためだ。

翻訳は出るかな。
行動ファイナンスと投資の心理学―ケースで考える欲望と恐怖の市場行動への影響

行動ファイナンスと投資の心理学―ケースで考える欲望と恐怖の市場行動への影響

高いが、立ち読みした限りでは面白そうだ。明日はボーナスが出ることもあるし、読んでみようかな。絶版になっているみたいだが、この本は市場における群集心理の働きを分析しており非常に面白い。

K-1

ハードディスクレコーダーで録画予約したものの、延長になったため決勝は録画できず。しかしボブ・サップと対戦した日本人選手は体格に差がありすぎて、同じ階級とは思えなかった。
キーワードを見ると、今日の試合は無差別級らしいので体格に差があっても不思議ではないのかも。MAXとの違いがよく分からない。