八人との対話 / 司馬遼太郎

八人との対話 (文春文庫)

八人との対話 (文春文庫)

とりあえず山本七平との対談は読んだ。思想を「人間を飼い慣らす」の道具と呼んでいるのが面白い。日本人は欧州や中国人と異なり、飼い慣らす必要がなかったので思想も不要だったという。そのため思想と言えば輸入したものとなり、書物から得たものになってしまい地に足がついたものとなり得ないことになる。
悪魔の定義が紹介されており、こんな感じだ。「神の傍らに立って、人の悪を告発するもの」だ。悪魔は正義の味方であるが、動機が憎悪であるという。様々なところでいろんなバッシングがマスコミをにぎわせている、まさにこの定義を思い起こさせる。バッシングとは憎悪に基づく正義なのではないか。