認められたい!―がぜん、人をやる気にさせる承認パワー / 太田 肇

昨日書ききれなかったところをメモ。
現代の若者(日本に限定されたわけではない)は、承認欠乏症とも言える状態になっている。他人から認められるという経験が少ない。そのため人一倍承認欲求が強いとも言える。欠乏症の原因として、大人とのコミュニケーションが少なくなっていることがある。他人の子どもにあまり関わろうとしなくなったためだ。また少子化(お互いに認め合う兄弟が少ないことを意味する)や、受験の低年齢化も原因とも考えられる。相手を認めることは、認められた相手は満足するものの、直接自分の満足を高めることにはならない。そのため余裕がないと他人を認めることは難しい。認められる(正・負いずれでもあり得る)は、正しい自己認識をつかむためにも欠かせない。会社に入っても、若者には承認欲求が満たされない状態が続く。年功序列制のもとでは、若い間は下積みを行わなくてはならず、認めてもらうには時間がかかるためだ。

名誉欲は必ずしもエゴイズムだけのものではない。名誉は当然、尊敬してくれる人々の存在が欠かせない。しかもこれらの人々は評価できるだけの能力が求められる。何も分からない子どもにほめられても名誉欲は満たされないだろう。そのため突出しすぎてしまうと、認められなくなってしまうという問題も出てくる。周りの人々の能力では評価できなくなってしまうためだ。他人との調和や貢献が求められることが、名誉欲を追求することによる利己的な行動を抑制することになる。