コンテナ物語ーー世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

今度はこの本を読む。
コンテナの登場により、輸送コストが劇的に低下し、貿易が拡大したことを紹介する本だ。コンテナが登場する前は、港での荷物の積み卸しにかなりのコストがかかっていた。人海戦術で行う必要があったためだ。船を運航するコストよりも、港に泊まっている間に発生するコストのほうが圧倒的に大きかった。輸送コストが大きかったために、遠隔地で製品を販売するというのは合理的な行動ではなかったのだ。製造拠点も輸送コストを念頭に置いて決める必要があり、港の近くに工場が造られることになった。
コンテナの登場により、輸送コストはほぼ無視できるようになり、企業は生産拠点をどこに設置するか、大きな自由を手に入れることになった。グローバリゼーションもコンテナが存在しなければ発展することはなかっただろう。

電気の登場が、社会やビジネスを変革するのにかなり時間がかかったというが、コンテナも同様である。コンテナを生かした経営が生まれるのは、コンテナが登場した後しばらく時間が経つ必要があった。


豊かさの誕生(ASIN:4532352207)で紹介されていた、経済発展を促す4つの要因の一番最後に大いに関係している本である。